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リスクファクター(危険因子について)


◆リスクファクターを減らしましょう

歯周病は、細菌感染による炎症性疾患です。歯周病を急速に増悪させる因子として、局所的因子と全身的因子があります。
たとえば、歯周病にかかった人が糖尿病にもかかり、ヘビースモーカーで、さらに歯ぎしりもするといった場合、危険因子がトリプルに複合しているために、歯周病は急速に悪化してしまいます。
歯周病の治療を進めるためには、危険因子の要因を減らさなければ治療しても再発を繰り返すことになります。





歯の形態



歯根の近接

歯列矯正
異常咬合や異常習癖
いわゆる歯科医原性の治療
分岐部の位置
特異な解剖学的歯根形態
(上顎側切歯や上顎第一小臼歯)
隣接面
たとえば上顎第一大臼歯の遠心頬側根と第二大臼歯の近心頬側根
叢生など
歯ぎしりやくいしばりなど




遺伝的要因
内科的疾患
薬剤の副作用
精神的ストレス
ホルモンの分泌異常



喫煙、多量の飲酒
食生活の影響

糖尿病、膠原病、リウマチなど
抗てんかん薬、免疫抑制剤、狭心症の予防薬

思春期のホルモンの変化
妊娠によるホルモンの変化
更年期障害
閉経期後の骨粗鬆症



喫煙と歯周病


◆喫煙者は、歯周病にかかりやすい

歯周病を増悪させる危険因子として、喫煙したタバコの総蓄積本数が重要視されます。多ければ多いほど、危険は増大します。喫煙が歯周組織に与える悪影響のおもな作用は、

  1. ニコチンの血管収縮作用
    (歯肉への血液の流れが悪くなり酸素や栄養が欠乏したり、老廃物の除去がうまくいかなくなる。)
  2. 歯肉の線維化
    (歯肉が線維化し、出血など歯周病の典型的な症状が出にくく、手遅れになりやすい)
  3. 白血球の機能の抑制
    (細菌と闘う白血球の機能が50%も減少する。)
  4. 歯肉の修復機能に対する悪影響
    (歯周病の治療に必要な線維芽細胞の働きを抑えます。その結果、治癒に対する反応が悪くなります。)
禁煙をすれば危険度は減少し、1~4年で改善していきます。たとえ禁煙に失敗しても、あきらめずにトライしてください。蓄積本数は少ないほうが相対的に歯周病が悪化しにくくなるからです。
喫煙と歯周病

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