熊谷先生を慕い、教えを請い、同じ時間を過ごしたくて、何年も酒田に通われていたことを私は知っています。
そして日吉歯科のような診療所を作りたくて、来る日も来る日も、ひたむきにオーラルフィジシャンの道を歩み続けた姿も見て参りました。
その姿勢は何時しか後輩の模範となり、私はこの13年、川原先生を目標に歩んでおります。
「メディカル・トリートメント・モデルは世界一の医療」これは川原先生の口癖ですが、徳島という辺境の地で、見事なまでに誠実に予防医療と向き合い続け、今回の学術論文掲載をもって、それを見事に証明されました。
誰よりも、熊谷先生の教えに忠実に。
誰よりも、情熱をもって真の患者利益を追求してこられた努力が、結実しました。
皆さん、ぜひご一読下さい。知識の学びだけではなく、自らの臨床への向き合い方をも問いかける機会を与えてくれます。
これこそが、この川原論文の凄みです。
山梨県甲斐市
M,デンタルクリニック 松野歯科
松野 英幸
川原歯科医院(徳島県美馬市)
川原 博雄 先生
要約:
この後ろ向き研究では、中長期のメンテナンス療法を受けている患者の、歯の喪失の危険因子を特定しました。 2015年1月から2016年12月の間に歯科医院に来院した患者の中で、積極的な治療後に5年以上メンテナンスに来院した674人を調査しました。これらのうち、265人が男性(平均年齢54.6±8.0歳)、409人が女性(平均年齢54.0±7.9歳)でした。研究変数には、患者のコンプライアンス、性別、失われた歯の数、歯の喪失の原因(虫歯、歯周病、歯根破折、その他、生活歯または失活歯)、メンテナンス開始時の年齢、メンテナンス開始時の残存歯数、喫煙、唾液分泌抑制剤の使用、糖尿病の存在、歯周骨喪失の状態、および取り外し可能な義歯の使用が含まれました。結果は、メンテナンス期間中に失われた歯のほとんどは失活歯であり(全症例の91.7%)、歯の喪失の最も一般的な原因は歯根破折(全症例の62.1%)でした。メンテナンス期間における歯の喪失の統計的に有意な危険因子は、メンテナンス開始時の残存歯数でした(p = 0.003)。
論文掲載(ダウンロードはこちら)
→ https://www.mdpi.com/1660-4601/17/17/6258