SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

歯科界の常識を超えるためのパブリック・コメント

活動報告



NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」~ぶれない志、革命の歯科医療が放映されました 「カンブリア宮殿」に熊谷崇が出演しました 「未来世紀ジパング」に熊谷直大が出演しました 日吉歯科診療所 あしたのコミュニケーションラボ

歯科関係者感想

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つきやま歯科医院

歯科医師 築山 雄次

前回のプロフェッショナルに比べて、予防歯科の意義についての表現が前面に出ていた。
まず冒頭の82才で28本歯牙のある患者さんの日常で、趣味の歌を歌う場面、硬いせんべいを食べるシーンは健全な歯を有する人のQOLの実現が表現されていた。
先日、歯石を取ってもらいたいが時間がないのですぐにとって欲しいという男性患者が来院した。
衛生士が先ずはその前にやるべき事があると話をしたが、とにかく今歯石を取って欲しいと言って言うことを聴かないと私の所に衛生士よりヘルプの声がかかった。
そもそも何故歯石を取ろうと思ったのか訊いたところ、営業をやっていて口臭が気になる、歯ぐきから血が出だして歯周病が心配、親も歯周病で歯が無くなって義歯で困っているのでそうなりたくない、と。
そう、人は誰でも冒頭のご婦人のように健康で好きな事をして美味しく食事を楽しみたいはずなのに、われわれ歯科医療従事者がそこを理解できずに伝えきれなかったことが多いのではなかろうか。
 そのご婦人は自分の足で元気に自転車をこぎ日吉歯科に行き、メンテナンスを受けることが日常の生活となっている。
自分で自分の健康を守ると言うことが身についているのである。
先日も初診の人が他院で3ヶ月のメンテナンス?に行っていたが行くたびに虫歯が見つかり治療を続けている、おかしいなあと思ったが銀歯が増えていった、という話をしていた。
現在定期通院を促し行っている医院は60%を超えているが(健康日本21 歯科医療関係施設調査報告書)残念ながら、ほとんどが掘り起こし掘り返し状態で「真の患者利益」になっているとは言い難い。
メンテナンスにおいて、バイオフィルムの機械的な除去は重要であるが、今回の番組でのキーワードは「教育」であった。
診療の場面、患者セミナー、小学校での取り組み、OPセミナーにおいても「教育」の意義が聴視者にも伝わり「自分で自覚して、その気になるのが一番」であるために全てが行われているのが伝わった。
歯周病メンテナンスにおいても機械的な細菌除去よりも「OHI」つまり「教育」がより重要であることも示されている。*1
日吉歯科に通う人が「教えてくれる学校のような存在だ」と言っていたのが印象に残った。

また予防歯科の医療費と保険治療の対比から、口腔の健康が全身の健康に及ぼす正の効果、社会保障費の増大を防ぐには「予防」しか無く歯科の果たす役割が大きくなっていることを示されたのも良かった。

村上龍の最後のまとめにおいて「予防医学の国民的理解と普及は歯科に限らず全ての医療にとって、財政にとっての課題である」という点を自分の使命と考え、型より入った我々は妥協することなく価値の実証と伝搬に努めなければならないと再確認した。

*1「A systematic review of professional mechanical plaqueremoval for prevention of periodontal diseases(Lavanchy et al. 1987、Tabita et al. 1981)」