SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

歯科界の常識を超えるためのパブリック・コメント

活動報告



NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」~ぶれない志、革命の歯科医療が放映されました 「カンブリア宮殿」に熊谷崇が出演しました 「未来世紀ジパング」に熊谷直大が出演しました 日吉歯科診療所 あしたのコミュニケーションラボ

歯科関係者感想

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つきやま歯科医院

歯科衛生士 渡辺 里香

 今から、15年くらい前に、「クリニカルカリオロジー」という本で、熊谷崇先生を知った。当時、大学病院で小児歯科に所属し、子ども達の歯科診療をしていた私は、「リスクアセスメントをして予防プログラムをたて、長期にわたり子ども達の口腔を管理していく」ということに深く感動し、大学の臨床の場で実践したいと思い、教授に話をしたことがある。が、「今やう蝕の時代は終わり、まして、第3次医療機関である大学病院では必要ではない」と、けんもほろろな返事であったのを覚えている。

 私は、6年前につきやま歯科に勤務を始めた。「予防のつきやま」と噂に聞いていたので、日吉歯科の診療をイメージして心躍る気持ちであったが、実際には、リスクアセスメントは一部実行されていたが、日吉歯科のものとはずいぶん違うものだった。
そこで、サリバテストを取り入れたいと思い、唾液のPHとミュータンス菌の酸産生能をテストする仕組みを導入してみたが、それは、全く院内に浸透せず、失敗に終わった。
 
 それから、3年後、患者さんへの予防力の強化のために、縁あって、日吉歯科 熊谷崇先生の下で、院内の全員がメディカルトリートメントモデルを学ぶ機会を頂いた。見よう見真似でわかった風に検査を導入するだけでは駄目なこと、カリオロジー、ペリオドントロジーを理解し、我流ではない成功の形をTTP(徹底的にぱくる)しなければ、メディカルトリートメントモデルを定着させることもできないし、ましてやアレンジして更に向上させることなど到底無理であるということを痛感した。
 そして、その後、私たちは、院長先生、鉄平先生の尽力と理解の下、計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act)をくり返し、かなりのスピードでメディカルトリートメントモデル導入の一つの成功の形に近づいたと思う。

 番組では、熊谷先生の歯科医療への思いや、私たちが学び共感したことがよく表現されていた。
・真の患者利益とは、どういったことであるか。
・地域の患者さんの口腔健康を守る歯科医師としての使命。
・カリオロジーを理解し、エビデンスに基づく診療を行うこと。
・患者教育が重要であること。
・メインテナンスの大切さ。
・家族で予防し、時世代へ継承していくことが必要。
・歯科医療は、歯科医師と衛生士、そして患者とで構成されるチームであること。
・教育コースでは、歯科医師、衛生士にメディカルトリートメントモデルの成功の形を、正しく伝えることを実践していること。
など。

また、一般視聴者向けの番組であったので仕方ないかとは思うが、もっと痛烈なメッセージを日本の歯科界に送って欲しかったという気持ちも残る。厳しい感想だろうか。

プロフェッショナルとは
「あえて困難な道を選択し、先入観とか既成概念に捕らわれず、情熱を傾けて、そして創意工夫し、ぶれずに目的を達成しようと努力する人」

 番組放送後、多くの患者さんから受診を希望される電話があり、いらして頂いた方には、長く定期検診を続けていたにも関わらず、「すでに時遅し」という症状の方もいた。
「drill,fill,bill」の歯科医療からの脱却は、日本でも熊谷先生だけでなく、多くの著名な方達が声を上げ、1996年ころにも小林清吾先生(当時:新潟大学助教授・予防歯学)、田浦勝彦先生(東北大学講師・予防歯学)の記事にも度々出てくるようだが、2014年の現在でも状況は大きくは変わらない。
私たちは、今度こそ、今までの日本の歯科医療のあり方を振り返り、歯科医療に従事する者皆で、「drill,fill,bill」から脱却し、 「歯科医院は、人の口腔が健康でいれる事をサポートする場所」となり得るよう、作戦を実行して行かねばならない。
そのための作戦の一つとして、若手にコンセプトを浸透させ、メディカルトリートメントモデルを実践して欲しいという熊谷先生にならい、私も後輩達に「真の患者利益とは」ということを伝えていきたいと願う。
 
 最後に、新規開業の若手歯科医師として紹介された後輩の岡正司先生は47歳、私も齢半世紀。まだまだ、熊谷先生より20年以上の時間がある。若手と同様にチャレンジする勇気と、先輩としての責任をもって、「免許を持つ者の責任」と「逃げない、ぶれない」を心に刻んで、最後まで歯科医療に日々邁進していきたい。