SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

活動報告



歯科界の常識を超えるためのパブリック・コメント NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」~ぶれない志、革命の歯科医療が放映されました 「カンブリア宮殿」に熊谷崇が出演しました 「未来世紀ジパング」に熊谷直大が出演しました 日吉歯科診療所

歯科関係者感想

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SAT事務局

伊藤日出男

『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見ての印象深いシーンとして、熊谷先生の「納豆をかき混ぜている場面」を挙げると、凡眼のそしりは免れないかも知れません。実は番組放映の4日前、要客を迎えてチョコレート歯科の加藤先生と熊谷先生と一緒に会食していました。誰彼となしに話題が放映内容に及ぶと、登場者の思惑が一切入る余地はない厳正な制作姿勢と、その時に熊谷先生から聞いていました。それ故に件の“納豆シーン”が印象に残ったのです。「イノベーションできますか」と後進の歯科医師に問い続ける熊谷先生の“納豆シーン”には、見た瞬間は「なぜ?」と思いましたが、全編を見終わったあとには、ノーチェックで番組に出ている熊谷先生ご自身の言責への自信と余裕を感じ、“件の納豆シーン”も、NHK編集の明と思えてきました。

 “納豆シーン”のカッコ良さは、プロフェッショナルを知らない歯科界の後進には、なかなか理解できないかと思います。生半可な経営論や技術論を弄して賞賛されている先達歯科医師を、若き歯科医師はプロフェッショナルと評価しているようです。しかし、そういった先達は、優秀な経営者であり技術者かも知れませんが、プロフェッショナルとはいえません。それは、業界評価は得られても、社会的評価を引き起こせていないからです。プロフェッショナルとは、自らの仕事を通じて知性・理性・感性・品性・人間が社会に磨かれ、生き方自体が社会と歯科界の同心円の中心点になる者を意味するからです。納豆をかき混ぜるシーンがカッコ良く見えたのは、熊谷先生の社会性が、私の意識に投影されているからに他なりません。

 また、番組ではうかがい知れませんでしたが、熊谷先生の勤務医を選ぶ眼力もプロフェッショナルの称号にふさわしいものです。つまり、日吉歯科診療所の勤務医の採用とその存在です。番組ではトップの熊谷先生がリードしその理解者の歯科衛生士が主体となり予防歯科が定着してきたように描かれていましたが、その背後には勤務医の存在が実に大きいと思っています。歴代の日吉歯科勤務医は一様に謙虚で社会性が高く勉強家で、歯科医師である前に社会人としてのたしなみが整っています。そういった勤務医の存在が、全人的な素養が求められる予防歯科を下支えして、トップの思いをセミナーや講演会、そしてメディアに反映してきたのだと思います。さらに、その一方で日吉歯科の歯科衛生士の能力をも発揮させてきました。熊谷先生に勤務医の採用をどのようにしているのか聞いたことがあります。いくつかある要素の内で真っ先に揚げられていたのが「性格が良いこと」でした。この平凡な基準こそ非凡な視点ではないでしょうか。予防を基盤とした歯科医院を築くには、院長を信頼し、歯科衛生士をパートナーとして認とめることができる「性格の良い勤務医」が必要です。

 オーラルフィジシャン歯科医師の皆さん!熊谷先生を範として、カッコ良く納豆を食べ、歯科衛生士にもゴルフ場でも好かれる「性格の良い勤務医」を育て、予防歯科を地域社会に広めて同心円を描いていってください。