SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

歯科界の常識を超えるためのパブリック・コメント

活動報告


講演会

◆熊谷崇先生のタイでの講演会(ライオン-オーラルヘルス-アワード2015)報告


山形市 (医)佐々木歯科医院 佐々木英夫

2015.11/30~12/4 タイのライオン(株)主催で開催された『Lion Oral Health Award 2015』において、熊谷先生が講演されました。同行いたしましたので、報告させていただきます。


今回は、タイのライオン(株)とタイの厚労省、ならびにタイ歯科医師会など歯科関係者が今後の歯科医療の進むべき方向性として、予防を普及させようと言う並々ならぬ要請を受け、国内では講演活動を休止している熊谷先生もその熱意に動かされ、今回の講演会の開催となりました。
以前、新潟大学に留学されていたDr.Yupinが日吉歯科の取り組みに共感。元厚労省大臣のDr.MongkolやDr.Prathip両氏をタイから日吉歯科へ連れてきて、実際に見学してもらったとのこと。予防歯科医療の重要性を十分理解していただき、その成果に両氏ともに感激。タイでも今後、予防歯科医療を普及させたいと、強く講演依頼をしたことがきっかけのようです。


『Lion Oral Health Award』 とは、タイの歯科大学、歯科医師会、厚労省などを含めた歯科関係者の全国大会で、ライオン(株)が毎年開催しているビッグイベントです。ライオン(株)が以前より予防分野に力を注ぎ、タイで継続しておこなわれている活動が認められた成果だと思います。
その中で、現在の歯科医療の状況報告(僻地医療の実態など)や予防啓蒙活動に対する優れた活動をおこなったグループを表彰していて、「タイ国民の口腔の健康に貢献できるシステム」をライオン(株)がバックアップしている体制ができていることを感じました。


タイは経済成長が著しい国ですが、バンコクなどの大都会と僻地の生活レベルには大きな格差があるようで、国境近くでは国籍を持っていない人もかなりいて(5メートルの川を挟んで国境が線引きされているため、国境をまたいで生活している地区が多い)、そういう人達は医療も受けられないような状況にあるようです。実際バンコクでも、高層ビルが建ち並ぶ中にスラム街も混じり合った風景でした。


11/30
羽田空港から一路バンコク-スワナブーム空港へ約5時間半の旅の始まり。
バンコクから会場のあるコンケンヘ乗り継ぎ、晩ご飯を食べながら明日の講演会の打ち合わせ。関係者のみなさんは、より良い講演会にしようと遅くまで話し合っていました。


講演時間や内容に対する要望、順番など、打ち合わせを済ませた後にもどんどん変わってしまうのにはびっくり!!特に時間に関してはルーズ?で、他の講演者は一時間の予定を二時間も話してしまうような、アバウトなところもある国民のようです。


12/1

熊谷先生の講演内容は、午前中のタイの演者(厚労省元大臣Dr.Mongkolや現厚労省大臣、大学病院関係者)の話を聞いて、タイの今の歯科医療の実態に合わせた内容『Creation of value Innovation of Dental Treatment』にお昼休みに変更。MTMなどの実際の流れは質問が出た場合に説明することにし、歯科医療の考え方を変えてもらうことを中心に通訳の方と直前まで再度の打ち合わせ。
そんな急な変更が相次ぐという条件の中、熊谷先生はすぐにスライドを入れ替えたりして対処。講演時間も通訳をあわせてのスケジュールでしたが、予定時間ぴったりだったのは、さすがでした。


通訳の方は外務省勤務の方で、日本には一橋大と早稲田に留学していた秀才とのこと。先日11/27に日本でおこなわれた安倍首相をタイのソムキット副首相が表敬訪問した時にも通訳したとのこと。今回も歯科の言葉にも柔軟に対応する切れ者でした。オーラルフィジシャンとしての歯科医療のあり方を事前に勉強していたのかも???


講演後、『メインテナンスはどのようなメニューでおこなっているのか?』という質問が出され、メインテナンス自体、日常的なことではないことがわかった。タイでは、歯科衛生士を育てる教育機関がなく、歯科助手が4年間の教育を受け、浸潤麻酔から充填まで、歯科医師の仕事をサポートする教育がおこなわれているようです。よって歯周治療での関わりは多くはないようであった。
歯科医師は一日5~6人くらいを診察し、治療費はCR充填で3000円ほど(公的医療機関で)ですが、タイの通貨価値から考えると十分なのでしょう。公的医療機関での治療費と開業医では治療費が10倍ほど違いがあるそうで、価格は自由。日本では保険制度で、設備や技術が優れていてもいなくても、価格は一律ということに驚いていた。(講演後におこなわれた懇親会で、歯科関係者から話を伺った)

ライオン(株)の駐在員の方が、バンコクの開業医で治療を受けたときには、日本より高額な請求書が来たとのことでした。考えてみれば日本の保険医療は世界的に見て独特のもので、質を上げるために努力している診療所にインセンティブがないのはおかしな話。


今回は診療所の見学や開業医の話を聞くことができなかったため、一般開業医や専門医の連携などがどのように構築されているのか見ることができなかったのが残念でした。


12/2
自由行動。元大臣のDr.Mongkolとライオンの三上さん、熊谷先生と4人で、シンハーパーク-コンケン-ゴルフクラブ(黒ティーだと7502ヤードの距離のあるチャンピオンコース)でゴルフを楽しんだ。
12月のタイは冬の季節らしいが、気温は32~34℃。日差しが強いため午前中にラウンド終了できるように予定を組んでいただいた。(帽子、日焼け止めは必須)高級感あふれる立派なクラブハウスやとても美味しい料理を出すレストラン等、やはり親会社がシンハービールだけのことはあるなと勝手に納得する。キャディーさんは一人にひとりづつ。
贅沢すぎるゴルフです。


午後コンケンからバンコクへ移動。夕食は地元の人で繁盛しているタイ料理をごちそうになった。出てくるもの全てがうまい!


12/3
午前中は、バンコクで一番有名な名門コースと言われているラチャクルップゴルフクラブにてラウンド(メンバー同伴でないとプレーできない超名門コース)。


早朝からのプレーであまり暑さを感じなかった。(私に付いたキャディーさんが可愛かった)


コースは大きく育った樹にセパレートされている名門コース。各ホール、グリーン共に変化に富んでいて、再挑戦したくなる素晴らしいゴルフ場でした。(ちなみに私も熊谷先生も池に入れまくり、二日間で用意していたボールは全て無くなった。(笑)
両ゴルフ場共に、食事は一流のレストランでいただくような素晴らしい料理で、ゴルフライフを楽しめるような環境はすばらしかった。


午後はタイのライオン(株)を見学させていただいた。
ライオンは50年ほど前から、タイで石けんや洗剤などの衛生製品を提供し、保健衛生事業に大きな貢献をしてきたようです。近年オーラルヘルス事業にも力を入れているようで、タイのオリジナル製品も開発、販売しているようでした。
洗剤や歯磨き粉の匂いや味などはタイ人向けに改良、パッケージも派手?に色付けして工夫されていました。タイ人は派手な色が好きなそうで、男女を問わずピンクや黄色の福を来ている人が多くいた。 また、「髪の毛が抜けにくくするトニック」を開発したとのことを伺ったので、さっそく山形の友人のためにお土産として購入した。(笑)


タイ人は親日家と言われていますが、タイと日本との関係は以前からおこなわれているライオン(株)の取り組みも大きく影響しているようで、タイとの友好関係を続けるためにもライオン(株)の役割は大きく、今後の事業展開に期待し、我々もオーラルフィジシャン診療所として、できる限り協力をしていきたい(タイにメインイテナンスを根付かせる取り組みなど)と感じました。


12/4
帰国(帰りは5時間弱、時差は2時間)


タイでの食事はとても美味しく、日本人の口には非常にあいます。(特筆)
物価も日本に比べると安く、タイ式マッサージを1時間受けましたが、チップを合わせて1000円とは驚きです。
治安も良く、(日本語はあまり通じませんが、タイ人は優しく)心配はありません。
日系企業も多く進出していて、タイとの友好関係は今後も続くと思われます。オーラルフィジシャンの取り組みにタイとの交流を加えることも良いかもしれません。


最後になりますが、ライオン(株)の三上さん、佐野さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。今後もオーラルフィジシャンの取り組みに対して、ライオン(株)にはご理解とご協力をよろしくお願いしたいと思います。