SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

セミナー


オーラルフィジシャン・チームミーティング2011


■オーラルフィジシャン・チームミーティング2011は中止いたします

オーラルフィジシャン・チームミーティング2011中止のお知らせ


■市民フォーラム開催の意義

本年のチームミーティングでは、「口腔と全身の健康」に関する公開市民フォーラムを行ないます。

我々にとって重要な役割の一つが、来院する患者だけではなく、地域市民に対し「メインテナンス中心の歯科医療の重要性」を啓発することです。その実現手段の一つとして、地域の協力者との連携による「市民フォーラム」の開催があります。

今回のチームミーティングではフォーラムの内容のみならず、そのような手法としての「市民フォーラム」のあり方を学び、それぞれの地域で実践していただきたいと思います。


■概要

日時 2011/07/02(土)〜2011/07/03(日)
会場 酒田市民会館「希望ホール」
〒998-0043 山形県酒田市本町二丁目2-10
tel:0234-26-5450 fax:0234-26-5452
定員 800名
参加費 52,500円:オーラルフィジシャン育成セミナー修了医院(早期割引)
63,000円:オーラルフィジシャン育成セミナー修了医院
63,000円:一般医院(早期割引)
73,500円:一般医院
※1医院あたりの参加費です。スタッフは何名でも参加できます。
※すべて税込みです。
※早期割引は3/31までのご入金に適用されます。

■お申し込み・変更・お問い合わせ

お申し込みへのご返信までに数日かかることがあります。

>お申し込みフォーム(開催は中止しました)

お問い合わせフォーム


■日程表

日程表

■講演①

医療の質を測定し改善する

ご講演:9:30〜11:00
「医療の質を測定し改善する:聖路加国際病院の試み」
 聖路加国際病院院長 福井 次矢 先生
発表:11:00〜11:45
「オーラルフィジシャン診療室で測る医療の質」
 太田歯科医院 太田 貴志 先生
討論:11:45〜12:30
「Oral physician Quality Indicator、その確立に向けて」
 座長 伊藤矯正歯科クリニック 伊藤 智恵 先生

プログラム趣旨:

患者の立場からだけでなく、医療提供者の立場からも、質の高い医療を望むのは当然です。では、どうすれば質の高い医療を提供できるのでしょうか?その前に、そもそも医療の質とは何なのでしょうか?そして、何をもって医療の質を表すことができるのでしょうか?

昨年のチームミーティングでは、「Oral Physician診療所の評価〜データを中心に〜」と題して、日吉歯科診療所の加藤大明先生、高山奈穂子さんが治療の質に関する結果を開示する大切さを述べました。その中で、Quality Indicator(QI)について紹介し、Oral Physician teamにQIを取り入れる可能性について示唆しました。可能性があるのなら、一刻も早く取り入れましょう!そこで、今年のプログラムでは、実際に取り組み始めます。

それには、QIを生み出し、実践されて成果を上げている福井次矢先生に学ぶのが最適です。福井先生は、そのご著書『Quality Indicator「医療の質」を測る 聖路加国際病院の先端的試み』や『なぜ聖路加に人が集まるのか 医療の質、医者の資質』等の中で、医療の質を可視化することで改善した実践について、以下のように述べられています。

『質の高い医療を提供するためには、訓練された医療スタッフと最低限の建物・医療器機は必要ですが、絢爛たる施設と多数の高額な最新器機を揃えたりアメニティを充実させたり接遇を好感度にすれば、質の高い医療が保証されると一概には言えないことは明らかです。医療の質は、①施設の構造(ストラクチャー)、②診療の過程(プロセス)、③診療の結果(アウトカム)という3つの側面から評価されます。最も重要なのはアウトカム(余命の延長、QOLの改善など)であることはもちろんですが、アウトカムのみでは医療の質を知ることができない場面も少なくありません。

そこで、現在のところ医療の質を知るためには、プロセスの評価が最も望ましいと考えられています。米国では、「個人や集団を対象に行われる医療が、望ましい健康状態をもたらす可能性の高さ、その時々の専門知識に合致している度合い」が医療の質と定義されています。つまり、医療の質とは、根拠に基づいた医療(EBM)に則った医療をどのくらい行っているかを問うているのです。

そして、EBMに則った医療とは、「診療上のテーマごとに、最も高いレベルのエビデンスを知った上で、患者に特有の病状・意向(個別性)や医療現場の状況に配慮しつつ行う診療」です。1990年代以降、医療先進諸国ではEBMの考え方が普及し、さまざまなテーマについて"標準医療"のガイドラインが作成され、エビデンスに基づいた具体的な診療行為が推奨されるようになってきました。ところが、"標準医療"がどの程度実際に行われているのかを調べると、必ずしも推奨に則った診療が行われているとはいいがたい場面も少なくないことが明らかとなって、Evidence-practice Gap(エビデンスに基づいた望ましい診療と実際に行われている診療の格差)という考え方が提唱されるに至りました。

Evidence-practice Gapを知らなければ、そもそもどれくらい"標準医療"に近い診療をしているのかさえ知ることができません。また、Evidence-practice Gapを知ることが、EBM実践の強い動機付けになります。そのために、"標準医療"が実践されている度合いを数値で表す必要があります。これをQuality Indicator(QI:質指標)といいます。

聖路加国際病院では、電子カルテ・システムの導入後、2004年以降の診療データを用いてQIを算出・公開してきました。その効果は、1)ホーソン効果:他人に見られる観察されることによるパフォーマンスの向上、2)比較されることによる向上(エビデンスとの比較、他の医師との比較、他施設との比較)、3)組織としての介入の余地:個人の問題だけではないとのパラダイムシフト、という3つがあるものと理解しています。

結果として、驚くほど多くの医師や看護師が勉強会に出席し、全職種を対象とした臨床研究(エビデンス発信)の支援部門整備と相まって、当院のEBM文化の情勢に大きく貢献しつつあることを実感しています。

医療事故や医療過誤については、過誤を起こした当事者個人の問題というよりも組織の問題であり、組織的な取り組みが不可欠であるとのパラダイムシフトが起こりました。しかし、質の高い医療(標準的な医療の保証)の実践は、いまだに個々の医師の問題とみなされ、組織としての取り組みには消極的な医療施設が多いように思われます。質の高い医療の確保についても,個人から組織へのパラダイムシフトが必要であり、そのためにはEvidence-practice Gapを知るためのQIの算出・公開が大変効果的であり、医療者から自発的、自律的にパラダイムシフトを起こすことが求められているのです。』
 
本プログラムでは、福井先生にQIを詳しく解説頂きながら、導入の手法や指標設定にあたっての注意点などを具体的にご教示頂きます。

その後、太田歯科医院(山形市)の太田貴志先生に、Oral Physician診療所で抽出されているデータか、可能な限り具体的な指標を算出していただきます。そして、現時点でのOral Physician診療所の医療の質がどのような位置にあり、何を改善すべきかを考察していただきます。また、QI設定に際しての難しさや、QI設定のために不足しているエビデンスを整理していただきます。

さらに討論では、福井先生にご助言いただきながら、私たちが用いるQIの現在と近未来を明確にし、すべてのOral Physician診療所がQIを公表するシステムを具体化したいと目論んでいます。


■講演②

歯周病療におけるDecision Making

UCLA歯周病科名誉教授 Henry H. Takei, D.D.S., M.S.

(通訳:岩上早苗)


■講演③

マスメディアが注目する歯科医院になる(仮)

読売新聞医療情報部 渡辺 勝敏 氏


■診療所発表

タイトルをクリックすると抄録をごらんになれます。

①オーラルフィジシャン育成セミナー受講後たった1年でここまでできた!

おおくぼ歯科クリニック(京都)

2004年に初めて熊谷崇先生の予防歯科の講演を聴いてから、一度は志高く予防を謳って来た当院であったが、いつの間にか当初の志はどこかへ行ってしまい、メインテナンスする事が目的の、名ばかりの予防にかたむいてしまった。

うまくいかないメインテナンスのストレスと焦りが、「もう一度本当の予防を学び直そう」と、2010年、私たちをオーラルフィジシャン育成セミナーへ向かわせた。

日々診療が続く中、どのタイミングで、どこから改革に着手するかは難しい。すべてのスタッフに、今、予防を突き詰める重要性を伝える事も。

そんな中すべてをゼロベースで考え、「結果の出せる予防」を目指したシステムを構築する事に集中し、1年間でMTMの流れを作った当院の取り組みを紹介する。

その大きな流れを作ったのが毎週のカンファレンスと院内外のミーティングの活用である。

毎週のカンファレンスで、新患の情報を院内で共有するとともに、MTMに沿った資料取りができているか、口腔内写真やデンタル10枚法のクオリティーは維持されているかチェックを行う。

毎月のミーティングでは予防の意義や現在の取り組み、進行状況、チェック、改善を行った。ここで口腔内写真やレントゲン10枚法のクオリティーを上げるための実習も行う。

また、年に2回(6月、12月)に院外の会議室を使用し、1日かけての大ミーティングを行った。
すべてのスタッフが、この大ミーティングで担当分野について発表を行う。その発表のために各自がより深く予防について学ぶことを目的とした。プラスとして、このミーティングで皆がクオリティーを競い合う事により、予防に対する一体化が高まった。

そのような努力の中、予防の意味を伝え、ブレずにひたむきに患者と向き合う事で、すべての治療が終わる事には患者の意識と口腔内の環境は大きく変わっている事にスタッフ皆が気付き始めた。今後も「患者利益」「結果の出せる予防」を追求するクリニックでありたい。

②予防型総合歯科医院を目指して

関根歯科医院(埼玉)

私たちの医院が新規開院してからもうすぐ1年が経過しようとしています(2011年2月現在)。新医院の開院に合わせて、医院に予防管理という概念を導入すべく2008年から準備を行ってきました。2008年にオーラルフィジシャンセミナーを受講してからの経緯は以下のようになっています。

2008年11月 オーラルフィジシャンセミナー終了
2010年04月 新医院開院
2010年05月 ISO9001 認証取得

当院は都心から1時間程の埼玉県郊外に位置しており、以前はユニット4台の治療中心の歯科医院でした。新規開院後の現在はユニット10台となり治療部門、予防部門、小児部門がそれぞれ独立したフロアーに分かれ、各担当者によって運営されています。

私たちは【地域に根ざした医療活動を通じ、北本市および周辺地域の人々の一生涯にわたって寄り添う医院であること。 その存在により、関わるすべての人に安心を与え それらの人々の生活・人生の向上 に寄与する。】を理念に掲げました。
この理念に従って地域の皆さんの、それぞれのライフステージにおけるあらゆるニーズに応えられるような予防型総合歯科医院を目指しています。

小児、成人への予防管理をベースに、各部門が連携して一人の患者さんの一生涯の口腔のサポートをしていくことが本当の安心感につながるのではないかと考えています。各部門は医院の理念に基づきそれぞれの部門目標や行動指針を持ち、より品質の高い医療サービスを提供できるよう現在も改善を続けています。

セミナー受講からISO認証取得、そして現在までスタッフ一同夢中で走ってきましたが、1年たったこの機会に、当院が予防という考え方を導入するに至った経緯、オーラルフィジシャンセミナーを受講してから新医院開院までの取り組み、またISO認証取得までの仕組みづくり、さらに現在の問題点と今後の展望等を整理してみたいと考えています。本発表を通じて当院の経験を供覧していただきご意見、ご指導いただければと思います。

③こばやし歯科クリニックの成長発展の軌跡

こばやし歯科クリニック(東京)

東京都江戸川区にてチェアー4台で5年前に駅から徒歩14分のビルの4階でクリニックを開業いたしました。
試行錯誤を繰り返し、成人部6台、小児メインテナンス部4台と合わせてチェアー10台となりました。またフランスやドイツの歯科医院を参考にして付随するノンメタル技工施設や図書館+オープンキッチン、事務室などを充実させました。今春、更なる拡張することとなり予防専用スペースを増設計画の最中です。

成人部治療台だけでなく、予防スペースにも全台マイクロを配備する予定で、治療からメインテナンスの流れを一貫して精度の高い医療を提供できるように配慮しております。拡張工事が実施されることによりクリニックは成人、小児、メインテナンスの3つのZONEになります。オーラルフィジシャン育成セミナーを修了して2年程経ちますが組織の安定度が増し、レセプトが1650枚と順調に成長しております。設備機材の面だけでなく臨床、研究、教育の視点からクリニックを構築していきたいと思っております。

臨床では、専門分野の歯科医師を充実させ、チームアプローチを実施しております。研究では年2回の学会発表を目標にし、達成しております。教育では外部講師を招聘し勉強会を開催したり、複数の外部組織と協力し、母親教室を開催し食育にも力を入れています。これからのトピックとしては内視鏡を使用した摂食嚥下、DICOM DATAを基に三次元顎顔面模型を作製、インプラント紫外線クリーニング、予約システムをベースにしたソフトの開発と充実、ドラッグストアーに負けない物販、SNSを利用したスタッフ間の情報伝達、マイクロを使用したメインテナンス、組織が継続するための生産性の向上と分析、異種業とのコラボレーション、収集したDATAの効果的な活用、など積極的に新しいことに取り組みオーラルフィジシャンをベースにしたしっかりとした組織を作っていきたいと思います。

④理想のオーラルフィジシャン診療所をめざして

柴田歯科医院(秋田)

当院は2006年にオーラルフィジシャン育成セミナー(以下OP)コースを修了し、これを契機に真の患者利益を提供する理想の歯科医院をめざし努力してきました。その間、MTMに基づく歯科医療の実践、ISOによる医院システムの構築、医院の移転による診療環境の整備、様々な研修への参加によるスキルアップなど積極的に色々な取り組みを行ってきました。そして、これらの取り組みとそれによる成果について過去のチームミーティングを通じ報告してきました。そのような中、「口腔の健康を生涯にわたり維持する」という目標をめざし診療を行っていると以前にもまして専門性の高い治療の必要性を感じるようになりました。

そのようなことから、2009年から矯正専門医に常勤として勤務してもらうとともに、自らの専門領域でもあるインプラントのレベルアップのためにOP海外研修にも参加しました。そして、2人の連携による症例も経験しました。一方で多くの治療困難な症例に接するたびに低年齢からの定期管理の必要性を強く感じるようにもなりました。このようなことを踏まえ、当院では低年齢児からの定期管理の重要性について積極的に地域啓蒙活動を行うとともに、昨年11月に小児専門の診療スペースを増築しました。このように以前の発表以降も様々な取り組みをして理想のOP診療所をめざしてきました。今回、症例をまじえながらこのような取り組みを紹介させていただくとともに理想のOP診療所について考えてみたいと思います。

募集要項


■講演④

熊谷 崇


■公開市民フォーラム

口腔の健康と全身疾患、そして良い食との関わり

鶴見大学歯学部探索歯学講座教授 花田 信弘 先生

東北公益文科大学学長 黒田 昌裕 先生

株式会社平田牧場社長 新田 嘉七 氏


■交通宿泊手配について

本年は800名の募集を予定しており、交通宿泊手配の困難が予想されます。このため、本年の交通宿泊の手配はトップツアー株式会社に一括して依頼いたします。

本年のチームミーティングについての交通宿泊は、原則としてトップツアー株式会社を通しての手配をお願いします。

※チームミーティング2011の宿泊交通手配は、トップツアー株式会社が企画・実施する「募集型企画旅行」です。


■弁当

昼食の弁当をご注文いただけます。弁当の価格、ご注文方法につきましては、別途ご連絡します。


■医院見学

スケジュールの都合により本年は実施しません。

チームミーティングの翌日7/4から「DH見学セミナー(3日間)29期」を開催いたします。オーラルフィジシャン育成セミナー修了医院のDHの方の医院見学はこちらの機会をご利用ください。

「DH見学セミナー」


■推薦図書・参考資料

推薦図書・参考資料

オーラルフィジシャン・チームミーティング活動報告