防衛省・自衛隊において歯科医官は制服を着た歯科医師として存在し、陸・海・空自衛隊に計250名が、また歯科衛生士は技官として、それぞれが自衛隊病院や部隊医務室に配属されている。
防衛歯科懇話会は、防衛歯学に関する学術の研鑽及び向上を図ることを目的とし、それら防衛省歯科関係者を一堂に集め年1回講演会を開催している。
防衛歯科懇話会会長(自衛隊横須賀病院 歯科診療部長 加藤1等海佐)から、「KEEP28を通じて酒田市民の口腔内の健康状態を世界一にする」という理念が、自衛隊歯科の「歯科医療を通じて自衛隊の精強と即応に貢献する」という理念に言葉を置き換えて合致していること、加えて、リスク評価を行い口腔内が清潔になってから治療することや歯科予防の重要性を参加者に理解させて欲しいとの依頼があった。
平成31年2月6日(水)防衛省に隣接したホテルグランドヒル市ヶ谷において、「口腔から全身の健康へ向けた先進的な取り組み~KEEP28~」と題して約1時間の講演を実施した。当日は100名を越える防衛省歯科関係者が全国の部隊等から参加し、その後の懇親会においても防衛省 大臣官房 田原衛生監をはじめとする方々と闊達な意見交換がなされた。
Q1.仕事をしていく上で歯科医師と歯科衛生士の信頼関係は重要だと思いますが、熊谷先生がとくに大切にしていることはありますか。
A1.歯科衛生士がいなければ我々の歯科医療は成り立ちません。歯科医師と歯科衛生士が同じ目標に向かって努力し続けることでお互いを評価し合い信頼関係が構築され、そして新しい情報があれば勉強し、患者さんにベストな選択ができるようにしていかなければなりません。
Q2.歯科衛生士が磨いていくべきものは何でしょうか。
A2.歯科衛生士の力量としては、まずはエビデンスを学ぶことです。しかしながら頭が良く技能が高い歯科衛生士が優れているわけではありません。患者さんとのコミュニケーションを疎かにせず、責任を持ち常に学び続ける歯科衛生士を目指して下さい。
加藤会長から「本日の講演を聴講した私たちが、今後、実際に自衛隊各所でもたらす影響や結果を楽しみにされてください」との意思が発信された。