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今回番組を拝見することは、私自身に再び初心にかえる機会を与えてくれました。「知らずに失う人をなくしたい」という思いが蘇ってきました。知っていればこんなことにならなかったのにと感じる人が一人でもいないようにするには、多くの人に口腔が備える価値を理解してもらうことが大切なことは言うまでもありません。とりわけ幼い頃からの教育は必要不可欠といえます。家族での取組みは、まだまだの歯科の世界ですが、取り上げられていた患者さんご家族の姿があるべき形であり、それを築き上げるには一定の年月を費やす必要があるとは思いますが一歩ずつ近づけていくほかないのだと感じました。そのため何ができるのか、何をしなければならないのか、ちょうど卒後2年を迎えるいま、改めて自分がすべきことを考えてみようと思います。
さらに加えて、今回気付かされたことが一点ありました。「失った歯がどれだけの価値をもっていたのか」と気づいた人が「いま持つ歯がどれだけ価値のあるものか」を伝えるきっかけを与えることのできる場が、この私たちの働く歯科医院であるということです。当たり前といえば、当たり前なのですが。ついつい一個人を見がちですが、時間軸で捉えることで価値を次世代へ繋ぐことができるのかと考えると、今起こっていること、起こしていることは必ず未来へ続き大きな実を結ぶことになるように思えました。己の行う事もまたどこまで可能なのか未知ではありますが、きっと意味のあることのように感じます。そう考えると、日々の診療ひとつひとつに気を引き締めて取り組むことは明々白々な事といえます。