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活動報告


中山吉成先生「実践歯周病セミナー」活動報告(2010/10〜11)

中山吉成先生『実践歯周病セミナー』


◆つくばヘルスケア歯科クリニック(院長:千ヶ﨑 乙文)茨城県


■講習風景(写真をクリックすると写真が拡大されます)
中山吉成先生「実践歯周病セミナー」つくばヘルスケア歯科クリニック実習風景 中山吉成先生「実践歯周病セミナー」つくばヘルスケア歯科クリニック実習風景 中山吉成先生「実践歯周病セミナー」つくばヘルスケア歯科クリニック実習風景 中山吉成先生「実践歯周病セミナー」つくばヘルスケア歯科クリニック実習風景
■感想文(参加者名をクリックすると内容が開きます)

院長:千ヶ﨑 乙文

中山セミナーは、今回で、3年目、4回目を迎えました。当初、SRPができている、できていないということも判断できなかったDHは、少しずつ成長し、個性はあるものの、自分なりに考えるようになったことは大きな進歩と思います。こちらから、色々と一方的に教育、指導しても、本人達の機が熟していない状態では、身につかないことも実感しました。中山先生にお出でいただくようになってから、DHは、先生にお会いすることを楽しみに一年の目標を立てて仕事をするようになったようです。予防サイドの患者の満足度もここ1、2年、明らかに向上しており、1日の来院患者のうち、予防サイドの患者の占める割合が6割を越えました。これもいわば中山効果と言えると思っています。今後とも、中山先生には定期的にお出でいただき、医院の成長を見守って頂きたいと思います。

今回の中山セミナーでは、今までと違ったアプローチでお願いしました。6名のDHが1名1時間、中山先生にマンツーマンでレッスンしていただきました。内容は、それぞれのDHの希望により、患者さんにおいでいただき、実際の口腔内で指導を受けたり、あるいは、シャープニングを徹底して指導いただくなど、内容は自分でプログラムさせました。個人指導の模様は、ビデオ撮影し、受講後にDVDにして、全員が閲覧しました。そういう点で今回は、内容の濃いものになったようです。また、基本が重要であること、患者とのコミュニケーションが重要であることが改めて再認識できました。シャープニングが不得意なDHが、修正不能なほど研磨したスケーラーを見て、中山先生は、シャープニングをするという意気込み、努力がすばらしいと褒めていらっしゃいました。シャープニングされたスケーラーがどういう形であればいいのか、そのイメージがないまま、闇雲にストーンを当てていても、できないと指導されていました。単発の講習では絶対に得ることがきない貴重な体験をしたDHは、今後、器具の整備で一段成長するに違いありません。そんなところにも中山先生のご指導が生きていると実感しています。

今後とも、よろしくお願いします。

受付助手:石塚 恵美子(経験3年、在職3年)

三ヶ月に一回メンテナンスにきていても必ず取り残されてしまう歯石があり、その少しの歯石で歯肉の炎症がおきてしまうこと、またそれを改善するには患者さんの協力(フロスなど)が大事ということが分かりました。
他に今までは指に巻きつけてフロスがけをしていましたが、歯の内側に巻きつけるという新しいやり方もあることが分かりました。

フロスの大切さです。どんなに丁寧に衛生士さんがSRPをしても、必ず取り残しがあり、それをホームケアによって軽減するという話を聞いて、私は今まで週に二~三回しかフロスをかけていなかったんですが、これからは毎日やっていこうと思いました。また、フロスの正しい使い方も教えてもらったので、次回までに少しでも歯石のつきが減らせるようがんばりたいです。

今回で三回目の中山先生のセミナーでしたが、一回目、二回目のときよりも理解できるようになりました。患者さんにも歯石を分かってもらいながら除去していくことでホームケアの大切さにつながっていくのだと思いました。また、今まではSRPしてもらうほうだったので、どんな風にスケーリングされているかよく分からなかったのですが、今回はモニターで見ることができてよかったです。患者さんとのコミュニケーションのとり方は今後参考にしていきたいと思いました。

受付助手:石神 彩佳(経験1ヶ月、在職1ヶ月)

衛生士がメインテナンスだけしてもらっているだけでは歯は綺麗にはならない。毎日そうじしていても埃が溜まっているのだから歯も同じ。私は虫歯が半年前に一本初めてできて、歯医者はほとんどいったことが無いに近かった。ここで働かせていただけるようになり、歯医者のことが無知状態からはなくなったが、まだまだ患者様よりも知らないことだらけだ。なので今回、患者として受けさせていただいたが、やはりフロスが大事ということが分かった。毎日することに自分自身の怠慢がなくなり維持向上に繋がる。

単語や技術はわからないが、中山先生がおっしゃられていたことは分かった。分かりやすく、たとえ話もあり、わからなかったことはなかった。
患者様(院内の先生たち、また衛生士たち)とでもそうであるが、コミュニケーション能力が大事である。私など院内、患者さまたちとの中心人物となるのだからもっと要求される。技術も大事、相手に合わせて進めていくこと。今回、分からなかった医療単語また技術を学んでいくこと。学ぶことによって、患者様により受付として伝えられること、医師たちとのスムーズにやっていける。

なんにでも当てはまるが(私はまだ歯医者のことが分かっていないので)趣味の運動でもそうなんですが、上手な人はやはりフォームから綺麗である。そして力を入れるところ、抜くところ加減ができている。三代先生を見ていて、中山先生はこうだったからと形から入ることも一つの方法である。中山先生はどこからやるにしても姿勢が良い。それに比べたら、衛生士は皆のぞきこむようにに。中山先生が後ろに立って教えると、衛生士は器具の持ち方だけでなく、姿勢も正しくなっっていた。先生または衛生士がこうやって日々、ただ診療するだけでなく、向上させるため、悩んだり、討論をかわしたりするのは、私ども(患者)としては、大変うれしい。それをこれから、私は受付という場で伝えていけるよう努力したい。

受付助手:飯島 友美(経験5年、在職5年)

患者に対してどこに汚れが付いてるかをきちんと説明し、最後にちゃんと汚れがとれたかを確認してもらうことによって患者の予防に対する意識が高まることがとても重要だと感じました。中山先生は一人一人に痛みがあるか? どんな感じですか? と聞き出すことで、患者との信頼感が深まっていくんだなぁと思いました。

三ヶ月に一回の歯科でのメインテナンスだけではなく、フロスなどによるホームケアの大切さを再認識しました。自分自身の口腔内もまず改め、そのあとに受付でもフロスや歯間ブラシの大切さをすすめ、口腔内の環境をきれいに保つ手助けになるように伝えていきたいです。

相互実習ではきちんとDHに感じたことを伝え、逆にDHにはきちんと出来ていない部分を教わり、互いにとても良い勉強になったと思います。いつもフロスでホームケアをしていても、指摘されたことでいっそうきれいに保っていきたいと自分自身の意識も高まりました。

毎回ですが、中山先生と患者とのやり取りは短い時間でもきちんと話を聞き出し、患者を安心させる力はすごいと思います。いつも見習わなければいけないと感じています。ありがとうございました。

歯科衛生士:北島 明奈(経験3年、在職3年)

キュレットやかぎ型スケーラーの形のイメージが以前より明確にイメージできるようになったと思います。シャープニング時にはこのイメージを大切にしていきたいです。根面を滑らかにしていく方法やスケーラーの選択も少しずつ分かってきました。これからやっていこうと思います。

たたいた音でもしっかりした歯とそうでない歯が分かることは分かったが、同じ鈍い低い音の歯でも残せる歯とそうでない歯の判別は難しい気がしました。

SRP時のストロークの動かし方や力の入れ具合も見直すことができたと思います。また、シャープニングを繰り返し行った巣ケーラーの修正の仕方もコツが少しつかめたかと思います。それだけではなく、顔の輪郭から咬合のくせも分かることにおどろいた。これからは、口の中だけでなく色々なことを観察していこうと思いました。

はじめのころに比べると、根面にスケーラーをあてる力を軽くできるようになってきたように感じますが、苦手な部位や集中しすぎるとつい力が入ってしまうため、練習が必要だと感じました。フロスの導入もなかなか定着しない人もいたのですが、フロスでポケット内もきれいにできると歯石がつかなくなるということを患者さんに伝えきれてなかったように思いました。何度も繰り返して伝えていくように心がけていきたいです。

歯科衛生士:柴崎 静香(経験22年、在職8年)

スーパーフロス、ウルトラフロスの適切な選択と正確な使用方法についての指導のポイント、歯間ブラシではポケット内に到達しにいくため、歯周病の治療後のブラッシングの重要性、刃渡りの長い切れるスケーラーで力を適切にSRPすることにより根面に不必要性な傷をつけず滑沢な根面にすることができるので細菌をコントロールすることができる。先生の力と自分自身の力加減が違い、今までは力が入り過ぎていたこと。
ブレードの彎曲している面が折れやすいスケーラーにしてしまうので彎曲から前の刃の背面のスケーラーの研磨の必要性。
レントゲンのSRP後の撮影時期は1〜2年後、バイトウィレグで良いことは分かったが、治癒後の変化のポイントをレントゲンでどの辺で評価するのか質問し忘れた。

スケーラーは歯石を取るだけという発想ではなく、一つの作業の流れの中で必要な道具として使用し、次の作業に写ったときのイメージをつなげて治療を全体的に把握できなければいけない。そして患者さんへの全身への管理と歯の管理と全体を考えて仕事が完結できるようになること。基本がきちんと身につくと新しい作業への気はき、工夫が出来るようになれると思いました。#5のエキスプローラーと#7/8のスケーラーの使い方、固定、排除の仕方なども勉強になりました。

基本をしっかり習得し、SRP中に使用する器具の使い方にも気づきがあり、より効率良い仕事ができるような工夫をみつけることができるのだと思いました。患者さんのQOLを向上させられるよう努力していると、自分にとってもやりがいをみつけられるし、いろいろなことが充実して取り組める、納得した結果が伴ってくるのだと思いました。いろいろ勉強することがあり、何からやって良いのか迷うこともありますが、一つ自信を持って取り組めることを日々積み重ねられるようにみつけていきたいと思います。思い込みで勘違いしていることが患者さんにもあると思うので、色々引き出せるような信頼される関係を築けるような人間関係も築きたいと思います。

歯科衛生士:佐川 優子(経験6年、在職6年)

スケーラーの刃の付け方、形について完全ではないがポイントをつかむことができたと思います。数をこなして研いでいけば切れる器具になると思う。

7/8を遠心部に使うことによって13/14で当たりにくいところにあたり、歯石が取れることが分かり、学校で習った所だけでつかうのではなくて、歯の形態に合わせて器具がどの向きにあたって、これをつかえばとれるということが分かりました。
次回は分岐部のある歯に対してのスケーラーの選択、動かし方を知りたいです。

筋肉の発達の仕方でどちらで咬んでいるのかが分かる。患者さんによっては間違ったことを思っている方もいるので、コミュニケーションをとってちゃんと聞いて分からないところをなくしてあげるようにしたいです。年齢が上の方は歯間ブラシを選びがちなので、フロスの使い方を教えていき、歯肉の下がり方が違うことを伝えたい。

スケーラーは軽い力で拍を使わないように動かし、少し歯石が残っていてもフロスを使うことにより炎症が良くなる、通しにくいところでも患者さんにフロスをつかうことが大事ということが分かりました。
歯間ブラシではなくフロスをつかってもらうようにすすめていきたいと思います。そして少しでも歯が長くもつように手伝っていきたいと思います。

歯科衛生士:岡野 敦子(経験6年、在職6年)

今回はシャープニングについてと探知の時などにのぞき込まないでできるようにするの二つを大きな目標として参加しました。私はシャープニングすると、だんだん形が変になっていき、とりあえず刃の所を切れるようにとしていて、形をイメージして、どこをシャープニングするかを考えていませんでした。イメージする事が大切。また、以前シャープニングしてある先生の器具を見たときは、細いなー位の感想だった気がしますが、今回はシャープニングしていくと、こんな形になるのかなど改めて確認できました。今まで意識が足りなかったのか、イメージするのが難しかったです。全体的な形をよく見ていきます。

二つ目の目標、のぞき込まないでできるようにするという事は自己流になっていたから…でした。また手の動かし方も同じでした。先生の資料を見ながら、修正していこうと思います。自分の身体への負担を減らすことになる。

前回まででは感じなかった事でも今回あーそうなのか、といまさらになってしまいますが、理解する事もありました。なので例えば患者さんへのフロス導入で、前に指導した方、使用してくれない方にも、使用目的や使用後のきもちよさなどを改めてていねいに指導していこうと思いました。
今回は基本が大切なんだと思うセミナーになりました。

歯科衛生士:須長 美紀(経験7年、在職7年)

歯間清掃にはポケット内(縁下)のプラークを除去するためにも歯間ブラシではなく、フロスを使用することが重要だとあらためて理解した。それは歯間ブラシだと歯間乳頭を傷付けてしまうことにもつながるということも。また、仕上げの時のSRPにはレギュラータイプの刃で行うことで一度に除去する。ミンデ当てていると根面が平らではなく、波打ってしまい、プラークが溜まりやすくなってしまう。

フロスが重要ということだったが、患者によってはBrなどが入っていて特に臼歯部になってくると難しくなりどこまで定着できるか。
骨吸収のレベルがどの程度初期治療を行って変化しているか、1〜2年後にBWでチェックすることを今後意識したいと思う。今までは14枚法でないとと思い、そうなるとなかなか患者によっては負担になるのではと思ってしまい、勧めづらかったがBWにすることで枚数も少なくてすむ。

あらためてシャープニングの重要性を感じた。いかに研げた器具でないと除去するのにも患者だけでなく術者も負担が大きくなると思った。そのためにもまだまだ不安な点はあるが、自分なりに試行錯誤しながら当て方を習得していく必要がある。

歯科衛生士:郡司 とし江(経験5年、在職5年)

理解できたことはシャープニングの際、まずは形を整えてから、刃を作ること、スケーラーの断面を頭の中にイメージし、形を作ること、スケーラーにできた窪みの修正のやり方です。また、フロッシングの導入が難しい場合があるが、自分からやらなくてはと患者に思わせるような話し方についてです。

スケーラーの形を整えると自然と切れるようになるが、ならなかった場合の刃をつくる時のスケーラーの石の当て方(特にコロンビア13/14)はまだ自信が無いです.

今回セミナーを受けて、当て方を自分なりに工夫することができました。先細りしたスケーラーを修理してまた使用できるようになりました。

今までシャープニングの講習を受けたことはありましたが、シャープニングが消極的でした。中山先生初めて教えていただいたとき、積極的に取り組むようになり、シャープニングが好きになりました。そこまででも、自分では進歩したのかなと思いました。でもまだ、理解に乏しく、やみくもに削って試行錯誤していて、むだに削っていました。今回、スケーラーの形を作ることから教えていただいて、前より理解できました。切れ味の良い整えられたスケーラーでSRPできれば、より仕事にも意欲が持てるようになるので、今回、いままで持っていた不安をなくせるよう、頑張りたいです。

歯科衛生士:片岡 裕美(経験2年、在職1年)

理解できたことは、シャープニングをする時のスケーラーの形態を覚えて、第1シャンクを削ること、探知をする前にどういう口腔内なのかまずは確かめること、探知をしながら患者さんと一緒に歯石を探すことが大切なので、患者さんに問いかけること。

分からなかったことは、口腔内のスケーラーの当て方、スケーラーの使い分け(細くなったスケーラーはどんな歯に対して有効か)、テーラーとシーケーシックスの研ぎ方です。

今まで必死に削ってきたスケーラーはもう使用できないくらい刃先が細く、鋭かったですが、中山先生に指導してもらい、元の状態のように形を変えることで、まだまだ使用できるスケーラーに変わるということは今後役立つと思います。

今まで、本や教えてもらっていてぎこちなくシャープニングして大丈夫か不安でしたが、中山先生に教えてもらい、少し自信がつきました。研げているものと比較して何が違うのか分かるようになってきたので、シャープニングが楽しかったです。拡大鏡を買ってこようと思いました。

歯科衛生士:小沼 秀子(経験21年、在職10年)

今まで1日目のセミナーに参加していなかったので、今回初めてシャープニングを直接中山先生から教えていただくことができました。今まで、刃の形が変わってしまうこと、自分で刃の形を作っていかなければいけないことが分かりました。中山先生に教えていただきながらやったことが、これから自分でできるか不安がありますが、ポイントをチェックしながらシャープニングしていきたいと思います。次回、自分でシャープニングしたスケーラーを中山先生にチェックしていただきたいと思います。

ポジショニング、スケーラーの選択など固定概念があり、残石が気になっていました。歯面に当たりやすいスケーラーを選択し、番号にこだわることはない、当たりやすいスケーラーの刃を自分で作ればいいという中山先生の柔軟な考え方、お話を聞いて楽になった感じがします。歯面に刃が当たり、刃先が歯面から離れないように動かすことが重要で、患者さんに痛みを与えないように、注意していきたいと思います。

自分の姿勢が悪く、どうしても覗きこんでいたり、手指に力が入り、手や手首が動いてしまいます。毎回中山先生を拝見すると、姿勢の良さ、力まず自然な動きに感動し、少しでも近づきたいと思います。中山先生の長年の経験から作り上げたものを直接分かりやすく御指導いただける機会を得られることは、とても幸せなことだと思っています。この機会をむだにせず、スキルアップできるよう努力します。

歯科医師:三輪 浩之(経験7年、在職7年)

今回被験者となって、実際に自分の口腔内を診査されたり、器具をあてられたりされたが、何気ないコミュニケーションの中でやはりセルフケアが重要だと指摘を受けて、歯周治療の成功には患者の協力があらためて必要だということが理解できた。
治療計画の立て方などについて、患者にとって一番予知性の高い治療方針はどうなのか。そういった点を専門医の立場から考えてみるのを今後の課題としたい。

診断に際しては、衛生士とのコミュニケーションはしっかりと取らねばならないと思った。初診時にしろ、初期治療後の再評価にしろ、メインテナンスになる前に患者にとって口腔内の問題がある程度解決した状態にしていかないと、長期的に診ていく中で、問題が発生したままになってしまうと思う。

中山先生のセミナーは四回受講したことになったが、今まで自分の中でうまくいかなかった事や、思い込みでやっていた事などあらためて気づかされたことがいくつかあった。ただ、教わったことというのは、全てを消化するのは難しいだろうし、忘れてしまう部分もあるだろうから、自分なりに重要だと思う点を日々意識しながら臨床にいかしていかないと、なかなか進歩できないと思った。正しい知識を得た上で、試行錯誤を自分でも繰り返していきたいと思う。

研修歯科医:山本 直(経験6か月、在職1か月)

スケーラーのシャープニングが非常に重要であり、シャープニングするにあたってはまずスケーラーの構造を理解し、かつシャープニングする前のスケーラーの状態を把握し、理想の形に整えていく。歯石の探知では患者自身も体感できることであるので、術者も患者さんも一緒に確認しつつ治療を進めていくことができる。

探針での探知で、どの程度まで深く、また、力加減などが難しかった。痛みをなるべく感じないようにスケーラーを動かすのが難しく、十分に除石できなかった。

患者さんに対して、「ああしろ、こうしろ」というような指示的発言ではなく、患者さん自身が自ら状況の改善に向かって行動したくなるように導くことが大切であると思いました。実際に私自身がスケーリングすることはあまりないかもしれまんせが、患者さんに対する接し方、モチベートの方法中山先生と患者さんのやりとりでとても勉強になったところがとても多くありました。

スケーラーの扱い方をきちんと教わったことがなかったので、基本的なことから技術的なことまで知ることができました。また、シャープニングするにあたってはスケーラーの構造を歯石の探知や除石できないとあらためて思いました。技術的な面がとても大きいので、修練を積む必要がありますが、それだけではなく、いかに患者さん自身に日常のケアの大切さとモチベーションを高める話をすることが治療をより良い方向に進めていくのに必要だと感じました。

歯科医師:三代 英和(経験16年、在職3年)

シャープニングの際に今まではただ側面のみ研いでいました。そのために"くびれ"ができていて、これでは人間の体でいうと両足だけスマートになって体全体がスマートになっていません。また、SRPの際に脆弱になり、破折をまねくことになります。キュレットの元の形態を常にイメージして相似形になるようにシャンクから背面まで研いでいくことが理解できました。分からなかったことはCK-6の研ぎ方です。

今回は、シャープニングを課題にして参加しました。カッティングエッジを鋭利に戻すため、また再現するため、キュレットの元の形態の相似形をイメージした"形態と機能"のマッチしたシャープニング。そして探知では刃先を根面から離すことなく患者さんの目の動きを意識して苦痛を与えない。また、SRP時には切れる器具を用いて、歯石が取れているかどうか必ず確認しながら最小限の道具で成果を上げていく、また、道具に使われるのではなく、道具を使うと言われたその後ろ姿はとても姿勢がきれいでむだなく力みを感じない、まさに職人の親方の"巧の技"を連想しました。

先人や先生自身が長年かけて数多くの成功や失敗のなかで体験されたものを我々は凝縮してそして毎日、毎日やって試行錯誤して最終的には自分に合った方法を見つけていくようにと伝えられたことは、山の登り方にはいろいろあるが、最終ゴールを常に目指して自分の足でその頂に近づいていくものだと思い、ちょっとだけ得た自信と誇りを胸にしまい、明日からの現場に活かしていきたいと心に誓いました。

歯科医師:田中 浩祐(経験9年、在職1年)

理解できたことは、歯石の探知において、患者さんに痛みを与えないためには、常に探針の先端を根面に沿わせておくこと、キュレッターをする際、キュレットを軽く握ることでより小さな歯石を探知しながら同時に力を加えて除石できるということ、患者さんの表情を見ながら常に気持ちをシンクロさせて治療にあたることが大切だということです。

分からなかったことはコンタクト直下の歯石の有無を鎌型スケーラーで判断していたこと、患者さんへの声かけのタイミング、頻度です。

歯石の探知、キュレッダーに限らず、歯科治療中につい行っている行為に集中するあまり、器具を強く握っていたり、周囲の環境(口腔内、外ともに)への注意がおろそかになっていることもあり、それゆえ本来の治療中で見落としてしまうこともあるのではと思います。治療中は常に余裕を持って、力まず姿勢を正して、かつ注意深くのぞむことが大切であると再認識しました。

歯科治療は、常に目に見えないところを治療部位として扱い、さらにそこ(生体)へ無機質を触れさせる行為の連結であると思います。今回セミナーでは、歯周ポケットという見えない部分へ探針やキュレットを挿入するという行為を学び、いかに解剖学的な形態や特性、扱う器具の材質や形を熟知しているかが重要であるかが理解できました。


◆佐藤歯科クリニック(院長:佐藤 長幸)宮城県

・2011/12に宮城県登米市でグリーンヒルズデンタルクリニックとして転院開業しました。

・佐藤歯科クリニックは東北地方太平洋沖地震で医院を喪失し、2010/04現在は診療をしていません。


■講習風景(写真をクリックすると写真が拡大されます)
中山吉成先生「実践歯周病セミナー」佐藤歯科クリニック実習風景 中山吉成先生「実践歯周病セミナー」佐藤歯科クリニック実習風景 中山吉成先生「実践歯周病セミナー」佐藤歯科クリニック実習風景 中山吉成先生「実践歯周病セミナー」佐藤歯科クリニック実習風景 中山吉成先生「実践歯周病セミナー」佐藤歯科クリニック実習風景
■感想文(参加者名をクリックすると内容が開きます)

院長:佐藤 長幸

歯を守るために歯石を取る。中山先生の教えはこの一点にすべて集約されていました。歯石を見つけ、除去する。そのための器具を選ぶ。器具の手入れをする。そして治療の価値を伝える。

そうした事を成すための、管理滅菌。保存可否判断。不良修復物のある患者の取り扱い。常に学ぶこと。更にそのための体制や医院のあり方を深く考えさせられる示唆に富んだ経験を医院にもたらして頂きました。失敗を反芻しながら先生の教えを今後の糧にして成長したい思いです。

歯科衛生士:佐々木 優

初めに、中山先生SRPセミナーの際は大変お世話になりまして、ありがとうございました。ご丁寧に指導していただき、とても勉強になりました。

研磨一つにしても、今までは刃を整えて切れ味を良くすれば良いものとばかり思っていました。しかし、中山先生流の研磨は全体の大きさを揃えるということで、幅や厚みを落とすという方法でした。その行為はすごく大胆なのですが、中山先生の手の動きはとても素早く繊細でした。はじめは厚みを落とす行為を恐る恐る行っていましたが、なれてくると私の研磨も大胆になってきました。ただ、まだまだ、中山先生のような繊細さが足りず、ぎこちない研磨でした。

また、SRPに入る前の歯石探査の方法も初めて目にする光景でした。

探針で探るというやり方は同じでも、普段使用中の探針と5番の探針ではこんなに違うんだということを肌で感じました。術者だけではなく、患者にも感じることができ、患者の動機づけにもつながるものでした。

セミナー終了後、実際の患者さんに実践してみると想像以上に良い反応がありました。探針で探りながら「ここを触られてザラザラする感じが分かりますか?」という問いかけに対して、目を見開いて「あっ、分かります。」と驚いたリアクション。更に「これは奥に潜んでいた歯石なんですよ」と言うと、更に驚いて「えー、そうなんですか」という反応でした。普段ならここで除石はこれでもかというくらいガリガリ削り取るように行っていましたが、今回は中山先生の指導通り優しくなでるように行いました。

いつものように「痛みは大丈夫ですか?」との問いかけに対して、「あれ、自分の感覚が麻痺しているのでしょうか?全く痛みを感じないのですが」という返答を頂きました。今までは、「少し痛かったです。」や「少ししみました。」という返答ばかりでした。中には「大丈夫でしたよ。」と言う声も聞きますが、少し我慢しているように感じられました。それが、セミナー後には患者さんにもこんなに違うのかと私自身も驚きました。

今までたくさんのセミナーを受講してきましたが、こんなに身についたことはありませんでした。今回のSRPセミナーで学んだことを診療に生かし、1人でも多くの患者さんに無痛処置を施してゆきたいです。

歯科衛生士:畠山 良美

やはり基本は、歯石の探知と正確な除去が大切だと感じました。

セミナーを受けて、これまでの私のSRPは大まかな歯石除去だったと気づきました。

縁下の、本当に細かな歯石は見逃していたと思います。いつもSRP後は、触診して残っている歯石はないか確認していましたが、ないと思っていた人にも、中山先生に教えていただいた方法では、感知することができたのです。また、力を入れたストロークでは歯面に傷も付き、患者さんに対しても優しい方法ではないとのことでした。実際に、しっかり研いだキュレットでは、力を入れずにしても歯石除去はできました。適切な器具で適切な処置をすれば、患者さんの負担も術者側の負担も減ることが実感できました。

今後は、中山先生に教えていただいた歯石の探知、SRPのストロークを忘れずに、少しずつ患者さんにも歯面のつるつるが感じられるくらいの確実な歯石除去を心がけようと思います。歯周治療において、SRPはとても重要な衛生士業務だと思うので、今回中山先生に来ていただいて教えたもらったことは、私にとってとても良いセミナーだったと思います。

管理責任者:芳賀

正直、受講するまでは「術者のみの参加で十分ではないか」、「DHではない自分には難しく専門的な内容で理解できないのではないか」と思っていました。

しかし、実際にお話を伺ったり、処置を受けてみるととても多くの事を学ぶことができました。自分自身、定期的にメンテナンスを受け、口腔内の状態は比較的キレイに保てていると感じていましたが、中山先生に歯肉の状態や清掃状況を指摘され、自己管理の甘さを実感しました。また、私自身がSRPを受けた経験がほとんどなかったので、受診者の気持ちもなんとなくわかった気がします。見た目や日常生活で何の違和感も感じていなかった部分でも、キュレットなどで触るとガリガリっと歯石の付着があり、その歯石が取れていく様子をはっきりと感じる。それが術者だけでなく、受診者も身をもって感じることが出来ることに衝撃を受けました。中山先生がお話されたように、実際にとれている感じを1度でも実感することが出来ると、もっときれいにしてほしい!という受診者としてのメンテナンスに対する要求や口腔内の管理に対する意識が上がると感じました。術者としての達成感、受診者の満足感・爽快感がどちらとも満たされるのが分かりました。

また、自己管理としてのフロスの使用法。フロスで口腔内の状態が大きく変わる(変える)事が出来ることを学ぶことができました。≪アンチエイジング≫、誰でも(特に女性は・・・)気になることですが、定期的なメンテナンス・SRP・フロスの使用でできるという事は特に興味深い事でした。

今回のセミナーでは、技術面だけでなく、受診者とのコミュニケーション、受診者教育の方法などを学ぶことができ、とても充実したセミナーでした。

受診者として体験したことを活かして、今後の受診者とのコミュニケーションをうまくとっていきたいと思います。

歯科助手:日野

今回2日間に亘り中山先生のセミナーを受講しメンテナンスについての考え方が変わりました。今までは個々に合わせたリスクで定期的にクリーニングすれば歯周病の悪化がなく良い状態を保てるものだと思っていました。しかし、クリーニング(SCG、SRP、PMTC)も根面を傷つけるようなことがあると、またそのようなメンテナンスが続くと歯周病は悪化してしまう。いずれは歯をなくしてしまう現実があるのだと知りました。

私自身、中山先生のSRPを体験させて頂き痛みの少なさに驚いたのと定期的にSCGはしてもらっていたのに縁下歯石が思っていたより付いていた事に気付かされました。SRPは出血を多く伴うもので受診者の方たちの表情から自分自身の体験からもあまり心地が良いものではないと思っていましたが、中山先生にして頂いたSRPは疼痛もなく受け入れられやすく自分自身で変化を感じる事が出来ました。

また器具のお手入れや取扱などそのほかにも沢山の事を限られた時間のなかで教えて頂きました。とても有意義な時間でした。

歯科助手:佐藤

10月7日、8日の2日間にわたり中山先生のDr、DHに行われたSRPの指導を間近で拝見させていただき、驚いたのはSRPの処置というのはこれまでは、受診者側にとっては諮らずしも苦痛を伴うものとばかり術者にアシストしていて思っていたのですが、決してそういったものばかりではなく、むしろ心地良いものだということが、実際中山先生に縁下歯石の除去をして頂いていたスタッフの感想からも、また施術中の表情からも伺い知ることができました。

歯を残すことの大切さ、そのためには器具の手入れから、取扱い方に始まり、如何にして口腔内の歯石を除去するか、受診者との関わり方など多くのことを学ばせて頂きました。

セミナー受講後の私自身の小さな変化としては、フロスを朝、夜かかさずせっせっとこまめに使用するようになりました。

歯科助手:ゆみ

今回、中山先生のセミナーを受けてみて取れていると思っていた歯石が完全には取れていない事や取る時の手の動かし方など分りやすく説明していただいたのでとても勉強になりました。

他にも実際にグレイシーを研いでみて中山先生は簡単に行っているのですが自分で研いでみるとなかなかうまく研ぐことができず、先生に指導して頂きながら研ぐ時のポイントなどを教えていただいたことはとてもいい経験になりました。

受付:夏美

二日間にわたり、中山先生のセミナーを受講しました。

実際に私も患者さんの立場で体験させていただいて、あまり歯石がないものだと思っていましたが、以前矯正をしていたときの装置の接着剤が残っていたのか・・・?というような汚れを指摘されました。何年か前のときの装置の残りがついている・・・と、考えるとずっとそれがついたままになっていた、ということになります。

歯科の仕事に就いてまだ半年で、受付の担当なので処置に携わることはないのですが逆に患者さん側にたってみると、そのような指摘をされれば通院する必要性も理解できます。目に見えない汚れがたまっていたことと、ずっと残っていたことにすごく驚かされました。

実際の処置でざらざらしたり、フロスがなかなか通らなかったりするのを感じましたが、こんなところにあるものなのだと気づかされることで、患者さん自身も歯磨きの仕方に気を付けるようになると思います。

患者さんに"歯"についての意識をもっと高めることができ、いつでも気軽に来院できる歯科医院を構築していけるように、受付として医院の印象を日々より良いものにするよう勤めていきたいと思います。

クリーンスタッフ/保育士:佐藤

自分自身の職種が普段診療に関わりがない事や、SRPをした事がない分、内心『私が聞いても分からない・・・』と思い込みセミナーに参加していました。

しかし、中山先生の丁寧な説明でどんな処置に使用するものか、すべてが同じ種類に見えていた器具も器具の刃の角度、形などでそれぞれ違った役割をすることなどが分かり、洗浄や滅菌に掛ける際など気をつけて見るようになっていました。

実技では普段歯石などがなく、きれいな歯をしていると思っていた衛生士にさえも中山先生の手にかかると歯石がある!とされ、うちでは良い物を提供できている!!と思っていた当院の処置方法でも、足らないものがあったんだ・・・と感じされられる瞬間がありました。

近場で実技を目にする事や、自分自身が中山先生のSRPを体験したわけではないのですが、体験者に話を聞くと、歯や歯茎に感じる微妙な感覚でひとりひとりDrやDHの独特な動きなどが分かり、出血が多くても痛くないSRP、微妙に探りながらのSRPなどと指導前後でのSRPの方法が変わって行くのが分かる。と聞きセミナー後半『ちょっと中山先生のSRPを体験してみたかったかな・・・』と私自身感心が出たり、気になるセミナーとなりました。

1日半、休憩なしと気づいてみればハードなスケジュールでしたが、中山先生の雰囲気がとてもやわらかく、堅かったり難しいセミナーになる事もなく、これからの医院活性に繋がる良いセミナーになっていたと思います。

歯科技工士:小野寺

普段の診療中には見る事のなかったSRPをしているところを近くで初めて見る事ができ、イメージ的に痛そうなので、本当に痛くないのか半信半疑でしたが、中山先生のSRPを実際に体験してみると痛いという感じよりも、気持ちがいい感じで驚きました。歯石が取れている感覚が自分でも分かり、ちょっと感動しました。できれば全顎してほしかったです。

当院でもまたこの感覚をうけてみたいので期待しています。

歯科技工士として、歯石が付着しないような形態、清掃性の良い技工物を患者さんに提供できるように、セミナーでの経験を活かしていきたいと思います。その為には今以上に歯科医師、歯科衛生士との連携が必要と感じました。

最後にこのセミナーに参加でき、今後に役立つ経験をさせてもらいとても良かったです。中山先生ありがとうございました。