SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

活動報告


中山吉成先生「実践歯周病セミナー」活動報告

中山吉成先生『実践歯周病セミナー』




中山吉成先生『実践歯周病セミナー』感想文
中央歯科クリニック




中山セミナーを受講して変わり始めました。
中央歯科クリニック  奥富史郎

昨年に引き続き中山先生に来て頂き、2回目のセミナーを受講しました。
この4月ヒューストンで、先生には公私ともに大変お世話になったので、親近感を持ってお迎えしました。実は昨年受講以来当院が大きく変わり始めました。
何より患者さんが腫れなくなった!というのが実感です。
当初はその細かい技術の習得に、また今までとあまりに違う、シンプルなシャープニングに右往左往の毎日でしたが、自分も衛生士と共に受講させて頂き、その細かい処置に面白ささえ感じ、又彼女たちの苦労も、難しさも、またやりがいも少し理解できるようになったと思います。何より患者さんの予後がいい!これには参りました。びっくりしました。
今までいろいろな器具、シャープニングの器械、どれだけの無駄をしてきた事でしょう。みんな無用になりました。中山先生の道具立てはとてもシンプルにつきます。
結局は自分の感を砥いでといで、砥ぎ澄ませて患者さんの状態を的確に把握することから、すべてが始まるようです。中山先生の姿勢のよい処置は、DRとしても実にカッコよく、プロとはこの様な姿と、先日のヒューストンの先生方も思いだしました。
修復、後始末に追われる日本の歯科をもっと医療としてカッコよくするには、この様な地道な処置をきちんと提供し、患者さんの口腔内を快適にして、信頼を得ることだとつくづく思いました。その上での修復なら更に喜んで頂けるでしょう。今回はバイトプレートの勉強もさせて頂き、外注の技工士も二人駆けつけ勉強の機会を得ました。又斎藤直之先生の技工士さんにもアドバイス頂きました。次のご来日までに課題をクリアし、医院全体で成長していきたいと思います。 素晴らしいセミナーです。ステップアップしていきたいと思います。有難うございました。



昨年の第一回中山セミナーで、患者役になって。(その日の感動)
佐藤恵美子

初めて中山先生をお迎えし、一日目のシャープニングが始まった時の衛生士の戸惑い、DRのびっくりした顔を忘れません。先生はいくつもの形の変ったスケーラーを、10センチほどの使い慣れた砥石でデリケートにスピーディーに砥ぐのです。真似してもなかなかどうして同じようにいかずあせるスタッフ・・。
「自分の勘も一緒に砥いで」「手の加減を覚えて下さい」「こんな細いもの売ってないでしょう?こういうのが必要です。作ればいんですよ・・!」
どこかで聞いたこの話。そう帝国ホテルの名物シェフ、亡き村上シェフがよくTVでおっしゃっていました。もともとこの大きなナイフをね、毎日仕事が終わって自分の使いやすいように砥ぐわけです。今ではこんなぺティナイフになりましたが、私だけの宝物。みんなこれも、あの包丁もそうして砥ぎながら作ったものです・・と。砥石で砥ぐ中山先生のお手元を見ると、砥石にスケーラーのカーブを沿わせるように力加減をしながら砥いでらっしゃいます。スタッフのため息をよそに、先生は「道具は自分で作るんですよ・・。」
ここからスケーリングはすでに始まっているのですね!

中山先生歯周病実習
二日目患者役でした。
先生のリラックスした手の動きは、グローブのにおいも感触も気にならない程のソフトタッチ。その上、あごを守られている安心感があります。冗談を交えながら、「よくお手入れされていますね」と褒めて頂き
「ここ少し動きませんか?」「えっ動く歯なんてないはず!」とびっくりの私の臼歯を探って下さると、確かに微妙に動くことを実感。全体の補綴物の状態などご説明の後、「じゃ取っていきましょう」と体が揺れるほどのストロークでスケーラーをあてられました。まずラフにお取りになり、その後徐々に小さい、細いスケーラーに換えられ、私に「とれてきているのがわかるでしょう?」と確認なさりながら、「だんだんキュッキュッとなってきましたね」とおっしゃり、細いフロスで仕上げて下さいました。不思議なことにDRが話しかけて説明しながら処置して下さるので、目をつぶっていると、私の頭の中に歯牙の根面を器具ががなぞってくれている画像が浮かんできて、なんだか安心しておりました。オペ室の実況をご家族がご覧になっているような感と安心感でしょうか?今まで誰も触れたことのない、右下6番の分岐部に中山先生のスケーラーが初めて侵入。触っている感覚が初めての部位、ここにスケーラーが入るなんて!驚きです。(お陰さまでその後全く腫れません)
中山先生のスケーラーはいつもやさしくデリケートに根面にくっついて、離れることはありません。この感覚も驚きです。「歯石取ったとこの歯茎まだまだ戻りそうですよ!」と希望も下さいました。「よく手入れされ、見事なホームケア。歯頚部カリエスもないですね。」と。チェックアップペーストができたころ、ライオンの大久保さんにフッ素の基礎を叩き込まれ、必要性、LOW DOSAGE & FREQUENT USEを守ったお陰です。患者になるとこんなことでも誉められると嬉しいものです。

中山先生歯周病実習
長年培われた技術を惜しげもなく教えて下さり、何もかもびっくりの2日間でした。衛生士さん達のこの地味だけれど、価値ある歯周の治療をきちんとやれば、そして理解応援すれば、かなりの歯が残るのでは?と実感した一日でした。「自分の道具を整え、愛情こもった器具で、何の為に除石するのか、器具の選択は正しいか?シャープニングは十分か?を考慮して処置されれば、歯周外科は当分先にお預けに出来、きれいに清潔になったお口の中を患者さんは黙って自分からお手入れなさいますよ」とのことでした。自分の歯を大事にすることって本当はこういう事だったのだといまさらながらに感じ、生涯にわたり自分の歯で食べて欲しいとおっしゃる熊谷先生の言葉がきちんと理解できました。自分の手の感触、感覚、目でしっかり見ること、感じること、こんなアナログ的なことを今一度見直し、その積み重ねた感覚はとても大切なものだと気づきました。一本の歯をもっと大切に見てあげれば歯は本当に残るのだなあと実感しました。衛生士さんの、地味ですがこの価値ある仕事がもっともっと評価され、患者さん方へ届きますように。中山先生、熊谷先生、SAT事務局の皆さんありがとうございました。



2010 6月12~13日 第二回中山セミナー感想文
歯科衛生士   岡村真由美 (4年目  歯科衛生士歴 15年)

昨年初めて、中山先生のセミナーに参加させて頂きました。今回残念なことに、家族の事情で参加できませんでしたが、今一年前を振り返ってみて、あの時初めて見る見たことのない形のスケーラーにびっくりしました。実習を受けて、それぞれの形の意味、SRP時の中山先生の手の動かし方や、患者さんとのコミュニケーションの取り方など、言葉で言い尽くせぬほどとても沢山の事を学ばせて頂きました。
5番の探知の時はつい指や手に力が入りすぎて、上手に歯肉のポケットに入らず、探知できませんでしたが、中山先生に手を取って教えて頂き、お陰さまで歯石のざらつきを探知し、手ごたえを感じて、実感伴って、効果的に出来るようになりました。
一年たった今でも、部位によっては難しいですが、探知をしてSRP出来るということは自分にとっても大変プラスになり、患者さんにも理解頂けるようになりました。きちんとシャープニングする習慣もこのセミナーであらためて感じ入ったことです。今までシャープニングの重要性を軽んじていたことを反省し、今では必ず研磨していい状態でSRPさせていただく習慣が付きました。中山先生のセミナーを受講させて頂き、歯科衛生士として本当に貴重な体験でした。教えて頂いたことを自分のものにし、これからも努力して、患者さん方に効果的な処置ができるようにしていきたいと思います。

中山先生歯周病実習


歯科衛生士  宮本 鈴子 (3年目  歯科衛生士歴  15年)

昨年に引き続き、中山先生のセミナーを受講させて頂きました。昨年の復習と確認があり、今回は先が尖ったり、小さくなったスケーラーを形態修正する方法を教えて頂きました。それにより、今まで、歯周ポケットが深くて届かなかった所や、歯根の分岐部など苦手な部位も、その部位に合ったスケーラーや、形態修正し細かいところに届くようになった器具を使い分ける事によって克服して行きたいと思います。

中山先生歯周病実習
また、もう一つの課題は、患者さんとコミュニケーションを取りながら、SRPを行うという事です。歯石を取る事で精一杯で、話しながらという事がなかなか出来ませんでした。患者さんにお返事を要求しないお話の仕方・・努力していこうと思います。
2回目のセミナーを受けて、患者さんに理解・納得頂き、患者さんに協力して頂きながら教えて頂くという、患者さんとの共同作業をしなくてはいけないのだなと気付かされました。
日本では普及しないデンタルフロスの使い方も中山先生お薦めのフロスを使い、歯に巻きつけるように入れて、両手でキュッキュッと「靴磨き法」や、他の使い方も学びました。まだまだ未熟ですが、よりステップアップして行けるよう、努力していきたいと思います。中山先生の背筋をぴんと伸ばしたよい姿勢を真似して、丁寧な処置ができるようになりたいと思います。有難うございました。


中山先生歯周病実習


歯科衛生士  比企 一恵  (1年目  歯科衛生士歴  5年)

今回初めて中山セミナーに参加させて頂きました。先輩から話を伺い、毎日必死にシャープニングしている姿。今までの歯科医院では、スキルアップの機会は皆無でしたし、DRと衛生士が一緒に学ぶ機会もなかったので、どんなセミナーかとドキドキしていました。当日中山先生の温和なお顔を拝見した瞬間、心配は吹っ飛び、頑張るぞモードになりました。今までSRPをしたいと思っていても、どこに歯石があるかわからず出来ませんでしたが、中山先生に教えて頂きザラザラした歯石を探知することができました。何もかも初めてのことばかりでした。

中山先生歯周病実習
歯石の探知は学校で教えられたことはなかったので、「こうやって歯石を知るんだ!」と霧が晴れたような気持ちになりました。ポケットにキュレットを入れると、つい力が入り、患者さんとの会話が少なくなってしまうのはいけないと教えて頂きましたが、どちらも今まで意識していなかったので、一つずつ確実に、なるべく会話を心がけながら、正しい姿勢で、SRPをしていこうと思います。シャープニングは砥石の持ち方、動かし方、当て方を丁寧に教えて頂き、形態を整えたキュレットを使うことで、効率よく効果的にSRPが出来ると知りました。それと同時に勉強する医院であることを有難く思いました。
今回中山先生に教えて頂いた事を大切に、これから私も勉強して先輩のように日々の仕事に生かして成長していきたいと思います。



歯科助手  小室 恵

中山先生のセミナーを受けた衛生士さんを見ると、又毎日沢山のシャープニング黙々と続け、思考錯誤を繰り返している姿に感動すら覚え、敬服します。
そのうち私には何ができるかを考えるようになりました。医院全体が、おなじ方向を向いて、大きく動き出した感じがしました。2回目の中山先生を受けた衛生士さんは手ごたえを感じて、頼もしく、誇らしく感じられます。患者さんから終わった後気持ちがいいわぁ!という声を受付でも聞かせて下さり、この人にならお口の中を任せられると自信を持って言える、かけがえのない存在へと動き始め、成長し始めたと日々感じています。
そんな衛生士さん達と一緒に仕事ができる充足感、一緒に切磋琢磨しながらこれからも共に成長していきたいと思っています。



第2回 中山セミナーで、再度患者役を務めました。 受付  佐藤恵美子

今回一番心に残ったことは、いつもながらの中山先生の笑顔もさることながら、「SRPしてきれいにして差し上げ、患者さんの免疫の力で歯周病と戦っていかれるようにしましょう」とおっしゃったことでした。メンテナンスに頼ることなく、患者さんご自身のホームケアと、自分の体は自分で守ると健康感に満ちた患者さんが、自らの意志と、生体力で歯周病の予防につながれば、こんなうれしいことはありません。
中山先生のところに、先日股関節の手術予定の患者さんの主治医から、歯周病の状態の問い合わせが、あったそうです。その位、全身に配慮した医療が進められていることに驚くと同時に、歯周病が他の疾病に及ぼす影響が重要視されていると思い知りました。

今回みんなとても嬉しかったことは、 衛生士さん達のこの一年の頑張りをすごく誉めて頂いた ことです。実は多くのスケーラーが使えないほどちびてしまい、海苔の缶にいっぱいでした。処分という話も出たのですが、中山先生が、そこからいい道具を作るんですよとおっしゃったのを思い出し、とっておいたものです。
「よく、ここまで頑張りましたね。いやー、立派立派!」と、「SRPもシャープニングもよく頑張りました」とおっしゃって下さり、細かい部分用に、研磨して自分の道具をつくっていくように指導下さいました。この一年の頑張りを中山先生に認めて頂き、衛生士さん達も事の他嬉しかったようで、次への大きな励みになりました。」

私の右下6番分岐部は一年前の中山先生のご処置により、無事でした。今後もより丁寧な手入れを心がけ長持ちさせたいと思います。

中山先生歯周病実習
処置の合間に、院内に飾ってあったサンキライ(酸嫌い・冗談です・・)の実を見つけられ、「きれいな実ですね?名前は何と言いますか?」と尋ねられました。このような、花に目をお止めになる心の余裕が、素晴らしい技術と共に、患者さんに安心を与え、良い効果をもたらすのだと教えて頂きました。正にサイエンスとアートです。
確かな技術とホスピタリティ。中山先生からまだまだ学ぶことが山ほどあります。有難うございました。