>募集要項
富沢歯科医院:富澤 直基
■イタリアジョイントセミナーに参加して
小雪の降る酒田市を約4年半ぶりに訪れました。今年は例年になく厳冬で日吉歯科診療所の周囲は雪景色一色で、いつもの風景と違って見えてとても新鮮でした。
今回のセミナーでは、イタリアから3名のスペシャリストによる「前歯部審美インプラント治療について」、熊谷崇先生による「日吉歯科の30年とこれから」という内容の講演がありました。熊谷先生からは「DDS」から「オーラルフィジシャン」へと変生することによって、いかに現在の日吉歯科診療所に変貌していったか、詳しい臨床データを交えながら熱弁していただきました。そこには、常にしっかりとした理念や目標を持ち、発展し続けている姿がありました。今年9月には新たなヘルスセンターとして、スペシャリストによる治療も開始することとなり、増築されるとのことでした。また、スカンジナビア型の介護歯科医療の導入にも取り組みたいと意欲を燃やされていました。この世に生を受けてから死ぬまで生涯にわたって、患者さんのお口の健康を維持、管理することを使命としていることに改めて敬服いたしました。それを実践していくには「患者さんを尊厳する気持ち」「歯科医療に対する誇りと責任感」「常に学び続ける意欲」が大切であると力説されていましたが、まさにその通りであると思いました。いつも思うことですが、熊谷先生から夢と希望、勇気と目標を頂くことができました。
イタリアのスペシャリストたちはチーム医療によって最先端のインプラント治療を実践していました。講演では歯周病、口腔外科、補綴のスペシャリストの先生方ご自身が携わった治療内容を、ケースごとに分かりやすく説明して頂きました。術前におけるコーンビームCTによる診査、診断が重要であり、ケースセレクションを的確に行い、エビデンスに基づいた治療をいかに行うかが治療の成功の鍵であると思いました。また、すべてのケースにおいて補綴が奇麗なだけではなく、手術がとても丁寧であり、低侵襲で審美的に優れた治療内容でした。審美的で良好な予後が期待できると確信しました。より高度な医療を提供する為には、各専門医が最高のパフォーマンスを発揮するからこそ成り立つことなのかも知れないと痛感させられました。
東京から日帰りの強行日程でしたが、大変有意義な一日でした。
最後にこのようなセミナーを企画、講演して頂いた、熊谷崇先生、Andrea Chierico先生、Luca de Stavola先生、Glanluca Paniz先生、分かりやすく通訳をしていただいた熊谷直大先生と須田先生に心からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
早乙女歯科医院:早乙女 雅彦
■日吉歯科診療所 イタリアジョイントセミナーに参加して
午前中の熊谷先生の御講演では現在までの日吉歯科の発展、そして今後の日吉歯科の方向性、現在の患者データ等についてお示しいただきました。
特にこれからの歯科診療室の在り方として、メディカルトリートメントモデルを実践する予防・メインテナンスをベースにして、その上でより高度な専門医治療も取り入れた診療スタイルを構築しつつあることをご説明いただきました。専門医の導入の仕方として医院の中に取り込むセンター方式や専門医への紹介システムを取り入れたデンタルネットワーク方式が考えられるとのことでしたが、私達の診療室においても、より高度な治療を求めている患者さんも増えており、このようなスタイルの診療室が近い将来、必要になってくるのだろうと感じております。
また、このような歯科医院としての発展のためには今までの多くの歯科医院がたどっているような一世代30年を一つの区切りにするのではなく、3世代100年のスパンで考えた診療室作りを行わなければならないこともお示しいただきましたが、大変参考になりました。
午後の講演では3名のイタリアの口腔外科(インプラント)、歯周病、補綴の専門医の先生方より審美インプラントの治療について一つのケースを3名の専門医からのアプローチとしてご説明いただきました。特に審美部位の抜歯窩即時埋入に関して、硬組織、軟組織の残存形態に応じたクラス分類により、その治療方法を症例を交えて解説していただきましたが大変興味深いものでした。また、審美インプラントの補綴治療においてプロビショナルから最終補綴物における歯肉、特に歯間乳頭の形成についても解説いただき参考になりました。
私の臨床の中では審美インプラントはまだ十分確立した治療とは言えない状況であり、今回の講演をもとにさらに勉強して自分の臨床に十分取り入れられるようにしたいと思いました。
柴田歯科医院:柴田 貞彦
■イタリアジョイントセミナーに参加して
「私がイベントを行う時には結構悪天候になることが多い。でも、記憶に残るから悪くはないよ」と以前熊谷先生がおっしゃったことがあります。まさに今回のセミナーは、私にとって色々な意味で一生忘れられないものになりました。まず、この冬一番と言っていい猛吹雪の中を運転し、セミナー前日にようやく酒田にたどり着いたことです。でも、そうやって参加した甲斐がありました。
私は4年程前からOPとしての診療所づくりに取り組んできました。幾度となく様々な課題が現れ、それらを解決してきました。今回も小児棟を建設しU-20への取り組みを行う中で問題が生じ悩んでおりました。しかし、午前中の熊谷先生の御講演を拝聴するうちに、勇気づけられ、悩みが吹っ飛びました。先生の今回の講演では特に以下のことが心に残りました。雇用スタッフや来院する患者さんに対する責任を考えると医院は自分一代で終わることなくずっと継続していくべきであること。そしてさらに設備、人材、教育に投資を続けながら、3世代100年を費やして総合力を上げていき質の高い診療を提供するヘルスセンターのような施設をめざすこと。このような壮大な構想をお聞きして驚くとともに大変感動しました。また、自分の悩みがいかにレベルの低いものであったかを反省させられました。そして、私も秋田の地で、さらに患者貢献のできる歯科医院をめざし努力していかなければと気持ちを新たにしました。本当に吹雪の中を酒田に来てよかったと感じました。熊谷先生、有難うございました。
午後のイタリアの先生方の講演もとてもすばらしかったと思います。3人のエキスパートが連携すればここまでできるのかと感じさせる美しい症例ばかりでした。講演もエビデンスに基づき、詳細にそしてわかりやすく解説されていたのでとても参考になる内容でした。
最後に今回のジョイントセミナーから専門医がうまく連携することではじめて提供できる質の高い歯科医療があることを感じました。しかし、それらは熊谷先生が述べられたように健康な口腔内が維持された状態で行われてはじめて価値を生みだすものだと思います。将来このような歯科医療が日本のどこでも受けられるようになればと思います。貴重なセミナーに参加させていただき有難うございました。
水口歯科医院:水口 裕介
■New Yearオーラルフィジシャンセミナーに参加して
はじめに熊谷崇先生が日吉歯科診療所の成長と今後の展望についてお話になりました。学ぶ理由とプロセス、予防歯科をベースとする診療室に必要な理念、データ管理と分析の重要性を再確認し、口腔の健康に対する価値観が患者自身によって高められるよう、オーラルフィジシャンはあらゆる手段を講じる必要があることを学びました。
熊谷崇先生は同じスライドを使用しても、視点に変化があり、お話の内容やポイントも毎回違うので受講者は飽きることなく復習することが出来ます。印象的だったのは冒頭に、訪問診療のお話しが出たことでした。これは50才以上のメインテナンス率が90%以上になったら、という条件付でしたが将来像を着々と作られていることに感銘を受けました。イタリアの先生方も予防歯科をベースにする必要性を強く感じていた様子です。
午後はイタリアから招かれた3名の歯科医師が、インプラントに関する講演がありました。写真も美しく、丁寧な治療がされていることが印象的でした。個人的にはイタリアの歯科事情について、もう少し知りたかったように思いますが、内容には満足できました。
1日を通じて感じたことは、日吉歯科診療所のスタッフの熱意がすばらしいな、ということです。英語による講演もスタッフが交代で通訳を担当してくれたので受講者は全く臆することなく講演に専念できました。夕食を兼ねた懇親会の会場も素晴らしかったです。
また、参加者の熱意もすごいです。私はあさ6時台の飛行機で来てそれなりに大変でしたが、前泊+飛行機で来て復路JR6時間日帰り、車で3時間の往復など、受講者の学ぶ意欲の強さにも刺激を受けます。
また、後援のシロナデンタルシステムズ社には昼食とリフレッシュメントのご提供を頂きました。いつもありがとうございます。
準備は大変と思いますが、今後のジョイントセミナーも楽しみにしています。
いがらし歯科医院:五十嵐 三彦
■イタリアジョイントセミナーについての感想文
午前中の熊谷先生の講演は久しぶりに先生のバイタリティーと絶え間ないイノべーションに感動しました。
僕も企業は生物でありイノベーションを行わない企業は淘汰される運命にあると考えています。しかし、各論になりますと専門医制は確かに日吉のように大きな母体であると可能であるが、規模的に移行するのはほとんどの歯科医院ではとても難題であると考えています。であるから、一つの医院内でのInterdisciplinary dentistry(各科の専門医が連携をして一人の患者の診療にあたる)アメリカ型を目指す過程において、Comprehensive dentistry(一人の担当医が総合的に総ての診療にあたる)日本型の歯科医療において専門医を凌ぐことを目標としなければならない気がしました。
例えば院外の専門医の実力を正確に評価するためにもDDSとしての研鑽も重要であると考えました。私たちオーラルフィジシャンは企画生のある写真やメインテナンスが可能であるからこそ歯科医療の指揮者として患者と寄り添うことが可能であると思います。しかし、医院の新たなステップアップに向けての貴重なヒントを得ました。
自分のクリニックの将来の羅針盤を頂いた気がしました。有難うございました。
午後の講演に関しては、とても易しい表現で簡単に説明していただきました。日本の審美インプラントはもう少し細かく複雑ですが、3人の先生はそれを皆に理解しやすいように丁寧に説明していただきました。
今後ともご指導のほど何卒よろしくお願いいたします。
佐々木歯科医院:佐々木 英夫
■日吉歯科で Evidenced Based Dentistry、世界を見る講演会に参加して
去る1/29(土)に酒田の日吉歯科診療所でおこなわれた講演会に参加しました。
イタリアで歯周病、補綴、口腔外科の専門医がチーム診療をしている3名の講師を招いて、機能と審美、生体親和を追い求めている最先端の歯科医療を学ぶ事が出来ました。
午前中は、熊谷先生より「日吉歯科診療所の過去、現在、未来」という演題で約2時間講演があり、リスクの改善と継続的な管理を徹底するという取り組みを通じて、地域住民の口腔の健康は飛躍的に改善され、今後の課題は、訪問診療をどのように取り入れていくかという内容をくわしくは話されました。
本当の歯科医療の目的は、病気を治す事ではなく、病気を発症させないようにする事。ガンを上手に治す事ではなく、ガンにならないようにする医療を求めているのだと改めて感じました。
また、訪問診療を成功させるためには、50歳以上のメインテナンス率を90%以上にならないと安易に訪問看護をやっても意味がないということが印象の残っています。
午後は、専門医がチームを組んでおこなっているイタリアの歯科医療の現状を聞かせて頂きました。
3名の講師はそれぞれアメリカやドイツで専門医の資格を取られ、高い技術と知識を駆使され、かなり質の高い診療を提供されていて、専門医のレベルの高さに改めて驚かされました。
イタリアも日本同様、専門医を教育するシステムがないため、アメリカなどへ留学し、専門医を資格を取ったとのこと。一般的には、歯科医師は GPとして全ての診療をカバーしているようで、歯科医療の質という面では日本と良く似ているようでした.3名の講師のように専門医がチームを組んで診療しているのはかなりまれなケースのようです.正確な診断と豊富な知識がないと質の高い診療を提供できないのだということを改めて実感しました。
自分が若ければ、渡米し専門医を目指したいのですが、今から専門医になれる訳ではありません。私たち年代の歯科医師が出来る事は、専門医を育てたり、専門医が日本に戻ってきた時にその力を十分に発揮できる場を作る事ではないかと感じました。
これから日本の歯科医療を担う若い歯科医師には、ぜひ欧米に渡ってもらい専門医を目指してもらいたいと思います.専門医が増えれば、きっと日本の歯科医療は変わる事でしょう.若い歯科医師よ頑張れ!
阿部デンタルラボ:渡辺 秀治
■イタリアジョイントセミナーに参加して
今回のセミナーを受けて、インプラント治療を行うにあたって正しい診断をした上で治療計画を立て、外科的な骨のマネージメントを施しながらインプラントを三次元的に正しい位置に埋入する事が一番重要な事だということがわかった。
自分は技工士なので補綴の現場しか見る機会が無いが、まず歯周組織全体の治療を行い、土台作りが出来て初めて補綴が成功するのだということも改めて実感した。
今回の講義の流れは一つのスライドを、補綴、歯周病、口腔外科の三人の専門医が交代しながらそれぞれ専門分野を話すという形だったのでより詳しく、より分かりやすい説明だった。また、通訳して下さった二人の先生も専門医だったので理解しやすく聴くことが出来た。
自分はまだインプラント技工を覚え始めたばかりなので今回学んだことをこれからの仕事に生かし、専門医のレベルの高い仕事に携わっていけるように努力しなければいけないと思った。
最後に、今回講義された三人の先生達の様に普段から専門医同士が連携して治療する環境が日本にもあればスライドに出たような難しい症例でも質が高く、確実な治療が出来るのだと思った。