>開催内容
2013オーラルフィジシャン・チームミーティングは4つのパートから構成されています。 職種を問わず、参加した各医院のスタッフができるだけ多くの学びを得られることを目的としてプログラムは作成されました。
1つ目のパートはタフツ大学歯学部(米国)教授の平山洋先生によるご講演です。平山先生は25年前に渡米され現在タフツ大学歯学部のPost Graduate Prosthodontics Programのディレクターを務められています。米国でもトップクラスの教育者であり臨床家でもある平山先生に日本と米国の歯科医療の教育、制度の違いをベースに、日本の歯科医療の未来への提言をおこなっていただきます。
1977年、九州歯科大学卒業。勤務医、開業を経て、1987年渡米。その後、タフツ大学歯学部で教鞭を執り、1994年よりDirector of Graduate and Postgraduate Prosthodonticsを務め、2002年にタフツ大学歯学部教授に就任。現在に至る。米国歯科補綴学会ボード認定医。
世界経済の沈滞は多くの歯科医師の人生を難しくしている。歯科の未来はどうなるのであろうか? 私たちは未来に向かいどのように準備をすればいいのであろうか? 果たして専門医教育とは何なのだろうか?
“Digital Dentistry”とは何なのであろうか? デジタル化は私たちにどのような影響を及ぼすのであろうか? 審美的な口腔内はどのように患者の生活に影響するのであろうか?
私たちは日常生活において毎日多くの質問を抱えている。しかし、困難な時期だからこそ、未来へ向かい違いを作る事ができるのである。
このプレゼンテーションを通して参加者は以下のことを学ぶことができる。
1. アメリカのGPと専門医
2. タフツ大学の補綴専門医教育
3. アメリカの補綴専門医の現況と補綴治療の未来
①審美性と機能性の調和
このパートでは審美性と機能性の適切な関係性を解説する。
これにより問題発生の予防と良好な治療結果を得ることができる。
②ケルン国際デンタルショー
③デジタル補綴治療:
〜私たちはどこまで進んでいくのか?
デジタル化が歯科技工にどのようにインパクトをもたらしたのか?〜
このパートでは現在のCAD/CAM技術とデジタル口腔内スキャンについて解説する。
さらに未来のデジタル補綴治療の流れも解説する。
2つ目のパートはマルメ大学歯学部(スウェーデン)教授のThomas List先生によるOrofacial Pain(口腔顔面痛)、TMDに関する講演です。Thomas List教授はスウェーデン、マルメ大学の顎口腔系生理学講座のチェアマンであり、生涯・卒後教育プログラムのディレクターです。彼の研究業績はTMDを患う成人・青年患者の疫学研究、TMDと口腔顔面痛の診断とメカニズムに関する臨床研究、そして口腔顔面痛の疼痛緩和に必要な薬物療法、理学療法、行動療法を評価する介入研究と多岐に渡っています。Thomas List教授は90を越える論文と書籍の著者であり、国内外の学会と政府機関であるスウェーデン医療技術評価協議会で専門家としての役割を務めています。
本会では、ともすれば根拠があいまいになりがちな口腔顔面領域の痛みのマネジメントについて、最新の科学的根拠をベースにご講演いただきます。患者さんの長く変化に富むライフサイクルに寄り添う歯科衛生士、歯科助手にとっても、齲蝕や歯周病と共に基本的知識を整理しておかなくてはならない分野です。
口腔顔面痛の罹患率は人口のおよそ10-15%と報告されており、全ての年齢グループにおいて女性の罹患が多く報告されている。その中でも顎関節症(TMD)が最も頻繁に報告される痛みの病態であり、次いで非定型顔面痛、口腔灼熱症候群が頻繁に報告されている。 このようなケースで、患者は日常生活に支障をきたし、精神的苦痛を被るレベルの難治性、反復性の痛みを訴える。本講義では歯科医療従事者がTMDを診断するために必要な信頼性があり有効でかつルーティーンに使用できる臨床診査プロトコルが解説される。また、病態の評価方法、診断、メカニズムそして口腔顔面痛の治療が症例を通し解説される。本講義の目的は口腔顔面痛領域の知識のアップデートとこれらの病態のマネジメントに必要な、エビデンスに基づいたアプローチを解説することである。
3つ目のパートは「Evidenceに基づいたGP診療室における歯科医療」と題し、歯科医師およびオーラルフィジシャン診療室で勤務するスタッフ(歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手)を対象とし、日常臨床において必要な知識を最新の科学的な根拠をベースに獲得することを目的としています。本年は3つのテーマについて、オーラルフィジシャン診療室に勤務する専門医、GPがプレゼンテーションをおこないます。
4つ目のパートは、「“途上国から世界に通用するブランドをつくる”。その信念のもとで、現地の素材を生かし、現地の人々と一緒にバッグを作ってきた」山口絵理子さんに御講演を頂き、我々の仕事の価値、働くことの楽しさについて皆で考えます。女性の働き方や世界を舞台にする事を学び、日本の歯科医療の現状と日吉歯科の取り組みから今後の歯科医療の在り方を考え、オーラルフィジシャン診療室の一員として、医院の全てのスタッフが本当の患者利益を実現するための歯科医療を提供するために働くことの誇りと喜びを再確認することを目的としています。
Dr
DH
その他