SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

歯科界の常識を超えるためのパブリック・コメント

歯科界の常識を超えるための
パブリック・コメント



NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」~ぶれない志、革命の歯科医療が放映されました 「カンブリア宮殿」に熊谷崇が出演しました 2017年新年のごあいさつ 日吉歯科診療所

オーラルフィジシャン(OP)との連携 ~私たち富士通の新たな挑戦~

2016年4月
富士通株式会社
ヘルスケアシステム事業本部
未来医療ビジネスセンター
マネージャー 武久 文之


昨今、口腔の健康と全身の健康への関わりについて専門誌や学会論文のみならず、多くの国民が目にする一般紙(新聞)にも頻繁に取り上げられるようになりました。一例とし、昨年11月15日(日) 日本経済新聞朝刊に取り上げられた「歯周病を治せば肝炎・糖尿病も改善」、同じく同新聞において本年2月7日(日)掲載の「歯周病 脳出血に関与」は、まさに「それ」であり、口腔の健康が全身の健康に直結することを非常に分かり易く一般国民に解説しています。


未来医療ビジネスセンターでは、世界基準の診断・治療プロセスモデルを採用し、市民の口腔ケアに取り組む日吉歯科診療所 熊谷先生、関係医師、および歯科衛士の皆さんと共にソフトウェアを開発、この4月1日より本稼働となりました。それは、「分散管理された患者資料(情報)を電子で容易に患者に還元が可能となるソフトウェア(ツール)」です。


規格に基づき撮影されたX線画像、口腔内写真、むし歯検査および歯周病検査結果に加え、治療結果や問診結果、更には通院記録を「ひとつの電子手帳」としてとりまとめ、それを患者に還元。患者は治療結果が保有できるだけでは無く、過去から現在にかけて自分の口腔がどのように変化したか、知る権利(気付き、知る権利)を有することが出来るようになります。結果、「予防意識」を高めることに大きく寄与します。また、医師・衛生士においては、蓄積されたエビデンスデータにより、患者口腔状態の「未来」が予測できるようにもなります。


この取り組みは、オーラルフィジシャンと富士通が取り組むほんのひとつ、つまりは、第一ステップに過ぎません。今後、この仕組みを高度化し、治療・経過観察を通じて本当に歯が守られているか、リスク検査の結果それがどう影響したかなど、患者1歯ごとの情報を正しくエビデンスデータとして残し、連携診療所間で共有・分析可能とする仕組みの提供を通じ、「患者個々によりベストな診断・治療」を行う際の下支えを、ICTにより手掛けて行きたいと考えています。


他方、仕組みだけで私たちの口腔状態が健全なものになる訳では決してありません。より一層、予防の意識を高める「広義の仕組み作り」が必要となります。


私たちは、社員の健康増進に向けた活動のひとつとして「オーラルフィジシャン診療所との連携」を一層強化します。近夏以降、国内グループ会社を含む社員約6万人の口腔ケアに関する費用補助など、福利厚生として行う予定で準備検討しています。メディカルトリートメントモデルを採用し、エビデンスデータを通じて患者口腔ケアに取り組むオーラルフィジシャン診療所で口腔メインテナンスを受診の際、その費用の一部を補助。今後は更に、診療所・医師・衛生士、弊社全国支社・支店とも連携し、従業員やその家族の口腔ケア予防を啓発する場の検討なども進めていきたいと考えています。加え、健康経営に取り組む多くの企業とそのビジョンや価値を共有し、「予防に対するコンセンサスの取得」に広く貢献して行きたいと考えています。


私たち富士通は、電子カルテにおける国内トップベンダーとして多くのお客様にご採用いただき、当該分野において多種多様な実績・ノウハウを多数培って来ました。「歯科から始まるイノベーション」に向け、オーラルフィジィシャン診療所の皆さんと共に挑戦し、日本はもとより世界が抱える医療費高騰の問題に対して、私たちはICTから貢献したいと考えています。


目指す姿、あるべき姿は、「命の健康寿命と歯の健康寿命の逆転」


「質の高いデータ収集・分析・見える化」を実装し、目指す姿の実現に皆さんと共に邁進していきます。


オーラルフィジシャン(OP)との連携 ~私たち富士通の新たな挑戦~ Part 2

2017年1月
富士通株式会社
ヘルスケアシステム事業本部
未来医療ビジネスセンター
マネージャー 武久 文之


2016年10月、耐震性や堅牢性および高度なセキュリティーを有する世界でも屈指の当社データセンターを介し、患者に口腔資料を提供する「クラウドサービス」が世界に先駆け日吉歯科診療所で稼働した。
規格に基づき撮影された口腔写真・レントゲン・唾液検査・歯周病検査や問診結果、通院履歴などの医療情報を電子で患者に提供するものだ。
今後は価値・ビジョンを共有する企業と、このクラウドを介した新たなサービス提供も行う予定である。患者予防意識の向上のみを目指すものでは無い。むしろ「更なる治療の質向上に寄与」することに意義がある。
1か月で約50医院からクラウド利用の契約を頂いた。利用患者は、治療前・治療後の状況が鮮明に映し出された画像を通じて一目で判る。
また、それを自分の医療情報として保持することもできる。医療者側にとっては説明責任をこれまで以上に要することにもなり、それは“リスク”と映りかねない。それにも係らず賛同いただけることに参加医院の“本気(覚悟)と腕”を強く感じるのだ。
きっと、患者はこの体験価値を発信するだろう。結果、このような本気の医院が真に広く世の中で評価される時代に変わっていくはずである。いや、このプロセスが当たり前の“歯科医療”となる日が来ると期待したい。

今後はリスクアセスメント情報の収集・分析を可能とするツール等も提供し、クラウド利用医院への価値提供を拡大させていきたい。ここで新たな当社の取り組みについて紹介したい。
2015年7月より、「OP医院の歯科メインテナンスを受診」の際、福利厚生制度による費用補助を開始した。国内約6万人の対象従業員が利用する制度の中に、新たなサービスとして追加したものだ。
実現に際して、当社福利厚生部が親身になって対応いただいた。“口腔の健康がもたらす価値”に対する共感に他ならない。
その結果、担当役員、組合の賛同を得てグループ会社社員を含めた利用開始につながったのである。制度化されただけでは動き出さない。より“認知させること”が必要である。それにはまず当社全国の支社・支店と連携した従業員への啓発活動が重要となる。
ご当地東北支社(山形支店)から取り組み、その様子も発信していく予定で山形支店と進めている。また、他企業にもこの活動プロセスを公開することで健康な従業員をより増やす活動を推進したい。
そんな私たちの活動に共感し、支援の声が社内から寄せられた。“あしたのコミュニティーラボ”である。社会や地域の課題解決に本気で取り組む活動・ひとに着目し、広く内外に発信するサイト・運営部門である。
大手新聞社からも取材依頼が届いた。今まさに、“この予防歯科”から何かが動き出そうとしているのだ。
「口腔から取り組む全身の健康へ。」私たち富士通は、エビデンスを基に生涯に亘り自分の歯で食せる社会の実現を目指し、志高い全国の医院・企業・市民の皆さまと共に新たな価値創造に向け挑戦し続けていく。